たいしたもんだ。
のんの主演・脚本・監督による初の長編。コロナ禍で卒業制作展が
中止になってしまった美大生を主人公に、悶々とした日々を描いた。
印象に残るのは「ゴミじゃないんだ」というセリフと、後で聞いたら
CGでなく特撮で撮ったというリボンの動き。はじめは女子のかわいい感じの
メタファーくらいにしか感じていなかったが、考えたらエンタメって
リボンみたいだ。プレゼント本体みたいに生活の役には立たないし、
いつまでも取っておいてもらえないけど、贈る側は心を込めて相手のことを
考えて工夫をこらす。「はい、プレゼント」裸のパッケージのまま渡された
時のことを想像してほしい。ないと死ぬものではないけど、生活の潤いに
欠かせないものだと思う。人の気持ちを結ぶ部分も含めて、監督が取り上げて
いるとすれば、たいしたもんだ。これは。