なんじゃあ!こりゃあ!
正直、3D映画は嫌いだった。値段高い上に画面くらいし、メガネうっとおしいし、奥行きは感じるけど別に必要とも思えない…でもこれはすごい。ベースは交通事故で記憶障害を負ったミュージシャンのドキュメント。彼が体験したのに覚えていない過去や闘病記が一番奥に、字幕で表現した考えや気持ちが真ん中に、そして一番手前に彼らのライブが、フォトショップのレイヤーのように重なる。それぞれが融合することなく浮遊感をもって存在し、違う時間が流れる。これは3Dでしかできないわ。目からウロコがおちた。新しい技術が生まれ、開発者たちが使う方法だけを見て「大したことないわ」と思ってたところに、「だったらこうしてみたら」とインディーズらしいアイデア溢れる提案。内容も手法の革新性も、ココロに残る1本だった。