これが、映画なのかもしれない。
園子温監督の震災映画。主役は原発20キロの境界線上に住んでいた家族だ。この土地を何が何でも離れたくない老夫婦や、妊娠をキッカケに放射能恐怖症にかかってしまった若妻、その間に挟まれて苦悩する旦那・・・映画って「ちょっとありえないけど」とか「昔あった出来事」を物語という形に紡いでメッセージを伝えるのが普通なんだけど、ここでベースになっているのは「過去でもありえなくもない」今、福島で起こっている出来事。教訓とか感動とかっていう、ちょっと距離を置いた上から目線の気持ちではなくて、当事者として目の前に突きつけられた課題にどう向き合うか?だんだんうつむいてしまう自分がいた。映画の中で事故が起こったのは長島という架空の土地。でもどこで起こっても不思議じゃない状態なのが今の日本。その時にあわてるんではなくて、懐中電灯を押し入れにしまうように、心の準備はしておいた方がいいのかもしれない。まあマイナスを挙げるならば、ちょっとセリフに露骨なメッセージこめすぎなところと、監督夫人の演技があいかわらずなところかなぁ。