死ぬために生きること。
末期ガンの告知を受けたおじさんが、最期の日を迎えるため、生き抜く姿を実の娘が撮影したドキュメント。エンディングは決まってるし、劇的なことは起こらないけど、誰もが必ず迎える「自分や身近な人の死」へのシミュレーションとして、胸に深く突き刺さる作品だった。医者が「どうしてあんなに元気なのかわからない」と不思議がるくらいの科学を超えた生命力。そんなふうになっても「大切な家族に迷惑をかけずにちゃんと死ぬ」ために準備しようと奮闘する姿。近い将来のことが頭をよぎらずにはいられなかった。