だから、他人事じゃないんだって。
どこかの国のタバコにはパッケージに真っ黒な肺の写真が載っていると読んだことがある。銃社会、保険、選挙権…世界一幸せなはずのアメリカの膿にメスを入れるマイケル・ムーアの作品はいつも激しいプロパガンダ込みだ。でもアメリカの数年あとを追いかけるばかりの日本にとってはそんな症例写真のような気がして毎回考えさせられる。「いや、俺は大丈夫」「あそこまでひどくならないうちに手を打つから」気持ちはわかるが、本当にそうだろうか?所得格差による2極化、カネが目的になりがちな社会…草食系とやらがもてはやされ自分主義の日本で、作品の最後に出てきた一筋の光につながるような行動が起こるだろうか?見た人たちと議論したくなる映画だった。
ただ、最近イマイチだなと思うのが、ムーアのリアクション。警戒されたり、症例がひどいから難しいのかもしれないけど、笑える要素がどんどん減っている。相手が巨大だからこそ茶化しが大きな笑いにつながるはずなんだけどなぁ。