大好きな作家、重松清の短編集の映画化。短編を連ねるために多少無理な繋ぎはあったが、原作の雰囲気には忠実なつくりだったから、この評価は原作の割合がかなり多い。重松作品の魅力は子供時代のリアルな日常「あるある」。ただ芸人がネタにするような類でなく、誰もが経験しているけどあまり思い出したくない部分をえぐり出してくるので、見ていて胸がちょっと痛くなる。でもあそこを経てこそ、今の自分がいるわけで。じわっと味の出てくる高野豆腐みたいな映画だ。