さっきまで普通に会話していた人たちが、気でもふれたかのように突然歌いだし、踊り出す。ブロードウェイやハリウッドのミュージカルに入れない人たちが使う言い訳だ。それをちょっと柔らかに、イギリスらしく陰を入れたのがこの作品かな。演じているのが、ミュージカル俳優でなく本職のミュージシャンだけに、力みがなく心地よかったんだけど、ストーリー全体もそのペースにあわせすぎて、起伏の少ない凡庸な感じになってしまったのが残念だった。ブラスバリバリの派手なヤツを食べ飽きた人には、アンプラクドの渋いのも美味しく感じるんだろうな。