風景の美しさが特徴のデジタルアニメ作家が作った恋愛ものだ。背景も恋心も、すっかり汚れちまった自分が恥ずかしくなるくらいの美しさ。でもこの作品に全然足りないのは行間だった。やたらと人物はセカセカ話すし、表情だってパターンが少ない。映画ってもっと会話の間とか余韻、笑顔と泣き顔の間にあるたくさんの顔が重要で、それが人の心を捕えるものだと思う。世の中やたらとデジタルが幅を利かせているけど、0と1には変換できない部分の大きさを感じたような気がした。