浅田次郎モノには正直弱い。この作品も予告編を見ていた頃は「父親」「昭和」涙腺を刺激しそうなキーワードが並び、小説はわざわざ読まずにいたくらいだ。でもこれはアカン。タイムスリップが絡んだファンタジーなんだけど方法が適当だし、都合のよすぎる展開が続くばかり。主人公の父親への気持ちは描ききれてないし、「父親の今」がないから実はこうだったんだと言われてもピンとこない。過去と現在を行ったりきたり不思議な体験、それで満足でしょ、みたいな作品。小説はもうちょっとマシなのかな?