女子向けだなぁ。

「だって間宮兄弟を見てごらんよ。いまだに一緒に遊んでんじゃん。」一人っ子ではないが、長男で妹2人。男の兄弟っていいよなぁと思っていた俺はそのコピーに惹かれて立ち見とは分かっていたけど、初日の劇場に足を運んだ。

見始めて気づくのに5分かからんかった「これは元乙女向けのおとぎ話だ」。
それぞれキャラの濃い間宮兄弟と周囲の人々。「実際にはいそうにないけど、こんな人がいたら面白いだろうなぁ」という想像上の生き物たちがやっぱりありえん物語を展開していく。そこは男の生臭さも現実の見苦しさも一切ないクリーンな世界。
そんな想像に身を任せ、婦女子の皆さんは癒されるのかもしれないけど、テーマもなく彼女たちが笑うレベルに作られたユーモア?シュール?の羅列に付き合わされるこちらはたまらない。原作者見てやめておきゃよかった。どこがオモロいねん!

さらに終わってロビーに出たら、中途半端なブスがポスターの塚地を見て「かわいー!」とか抜かしてやがった。ジャニーズはカッコよくて、ブサイクとかデブは「ホッとできる」「癒し系でかわいー」って犬や猫の扱いだ。お前らそんなことより自分がもっと「かわいい」といってもらえる方向に努力しろよ。

岩盤浴?デトックス?世の中、大して疲れてもいない小金持ちOLを癒そう癒そうとするものばかり。たまには「4つ子を抱えて小遣い月5000円のオヤジ」とか「本業での年収は600円の若手芸人」とか「文字も読めないけど群馬の板金工場に住み込んでる中国からの不法入国者」とか「浮気がバレて2年会社で寝泊りしてる恐妻家」とかそういう本当に大変そうな人を癒す物語はないもんかな。

でも、写真の兄弟が今も一緒に遊んでる物語はちょっとイヤだなぁ。遊んでるところもヤバそうだし。