
あのさ、所詮他人事なのよね。
原作は世界中で大ベストセラー。宣伝もこれまでにないスケール(公開前日の産経新聞夕刊はビックリした。普通の夕刊の外側に丸々1枚モナリザやねんもん)。たくさんの人たちが超大作ミステリーに期待して劇場に足を運んだだろうし、俺もその中の一人だった。
でも、見てて全然乗れない自分がいた。ルーブル美術館の館長殺人事件から始まるこの物語は彼の残したダイイングメッセージから主人公の2人が出会わされ、彼らがいろんな謎やら秘密やらを暴いていく。最初のヒントからしてダヴィンチ発信だし、謎の奥に出現する秘密結社のメンバーは超有名人。映画も物語もキャスティングは豪華だ。でも、その謎の根本にあるのがキリスト教の教義や解釈じゃあ、こちとら全く盛り上がれんわ。
宣伝じゃダヴィンチが彼の持ってた科学力を駆使して地球の存亡を握る秘密を隠したように見せてたけど、実際は自分の画の中に男だか女だかわからんヤツを入れたりとか、「ぷっすま」のお宝発見トレジャーバトルレベルの謎解きがちょこっとあるだけ。風呂敷だけ大きく広げておいて秘密も仕掛けもしょぼいってミステリーでは致命的でしょ。
いや、そりゃ「何が何でもキリスト命!」な人には大変重要な問題でしょうよ。でも彼が人間か神かなんて普通の人、特に日本人はどーでもいいでしょ。あんな謎よりよっぽどあのオッサンらがやってた「徳川埋蔵金」の方が興味あるっつーの。