映画だけだったら4点だけど。

青年が仲間とバカをやりつつ、一人の男に成長していく物語だった前作「海猿」。ドラマ版は見てないが、うまいことヒットしちゃったもんで作った続編がこれだ。宣伝もバッチリだし、プロダクションがROBOTだけあってツボはしっかり押さえてあるから「泣けました!」とかいうアホ女はゴロゴロいると思うけど、「つくりもの」感バリバリでイヤになった。

原作は青年誌のマンガだし、もともと男向けにつくられた物語を映画会社や製作委員会が要求する「女性受けして」「感動!できる」ストーリーにするにはああするしかなかったろう。ただそれが却って物語のピンボケを引き起こし、「愛?」「友情?」「パニックアクション?」結局どれを見せたいの?という疑問が観客の頭に生まれてエンディングを迎える。

でもそこで出てくるのだ、答えが。「信じよぉう!ふたりだぁあけの♪」伊藤なんちゃらが映画と全然関係なく出てきて歌い上げ、そのバックにこれまでのシーンのフラッシュバック。どんな感情を持ってみていたお客さんにもノーとは言わせない包括的な結論を押し付け、その波に巻き込んでしまう。上手いといえばそれまでだが、占い師の手口だぞあれは。

文句ばっか書いてたけど、この映画の音楽は前作からずっといい。サントラ聞かないと地獄に落ちるわよ!