紙一重なんやなぁ。

関西の重鎮落語家が亡くなった。通夜では弟子や親戚たちが師匠を偲んで思い出話にふける…作り方によっては「いい話」とか「暗い話」にもなりえるんだけど、これは違う。久しぶりの見事な人情喜劇。劇場であんなにお客さんが爆笑しているのは久々に見た。

お通夜で寝ずの番をしながら語られる故人のエピソードは芸人らしく、酒と下ネタのオンパレード。でもあまりにも直球で、あまりにもあっけらかんとしているので全然不快感はない。俺は芸人ではないからそんなに逸話を残してはいないと思うが、自分が死んだ後、周りの人たちが集まってこんな風に楽しく語らってくれたら本望だ。亡くなった原作のらもさんだって、そう思って書いたに違いない。らもさんのお通夜では「かんかん踊り」みたいなこと、やったんだろうか?

バカバカしいけど気持ちよくてすごく面白い作品だったけど、エンドロールでさらに笑わせてくれた。
数あるスタッフの中で「ヘアメイク 中井貴一担当」って!あの刺さりそうな角刈りのどの辺をメイクすんねん!