素直に賞賛!

DVDの「スキージャンプ・ペア」は発売された当時「ようできてんなぁ」と感心した覚えがある。でも、その後の売り出し方が俺の大嫌いな「おバカオシャレ」系(ヤツらの好きなもの=マックなどアップル社の製品、うまくもないカフェめし、モンティパイソン、雑誌だとブルータス、レオン…)だったのでその後の展開には無関心でいた。

しかしそれが映画化され、このオリンピック直前の公開。見ないでどうこういうのはあかんやろと思って見に行った…また思ってしまった、「ようできてんなぁ」
見る前の予想はDVDのジャンプにバリエーションを加えて、ちょっとバックストーリーをでっちあげて…ぐらい。ところが見せられたのはスキージャンプ・ペアの創始者だという原田教授のニセドキュメント2本立て。まったり感もダサさ加減もまさにプロジェクトX!ここまで一つのネタを徹底的に引っ張ってちゃんと笑いに繋げる…去年のM1グランプリでの彼らを思い出した。

ただ、残念だったのが競技部分での実況解説が下手なこと。内輪でたのしんでいたDVDではよかったのかもしれないが、劇場で公開する規模になったんだから、よりリアルにより凝って作ったほうが、パロディが引き立つと思う。当初からのメンバーでしょうがないのかもしれないが、あそこにやたら熱いだけの松岡修造とか実況の本職とか絡ませたらもっと笑えたのでは。

でも難点はそのくらい。世の中猫も杓子も、カネを儲けることしか頭になく、新たな事業を起こそうとすれば即「それ、儲かるの?」と言われるなご時世で、大人が真剣にバカなことをやるこの姿勢。DVDで結構儲かったから企画にゴーが出たんだとは思うが、ホンマお見事。

深夜、本物の競技の合間とかにしょーもない開会式の映像とか垂れ流すんじゃなくて、シャレでこの映画とか流してくれないかな?そしたら、受信料もうちょっと払ってもいいのに。