健さん、カッコイイ!
オリエンタルラジオじゃないが、ホントそういう作品だった。

お互いの不器用さから関係がこじれてしまった父と息子。長い間会うこともなかったが、息子がガンに冒されたと知り、父は息子がやり残した撮影をするため一人で中国に渡る…そんな話。あんな中国人はいないだとか、現実離れしてるとかいろいろ批判もあるみたいだが、ええやんか!おとぎ話でも。最近ハリウッドの毒に冒されかかっていたチャン・イーモウ監督が本来のペースに戻って撮った素朴な物語だ。

言葉が一切わからない外国で一人オロオロする姿もかわいかったが、全編を通して感じたのは、父親の愛の大きさだ。前々項で書いた深田恭子に毛の生えた程度のセリフしかない、相変わらず口下手で不器用な男を演じていた健さんだが、その表情と、ひたむきというより頑固な行動には母とは違う男親の愛情がにじみ出ている気がした。

この映画の一つの見所は中国の雄大な風景で、観客のほとんどは日本とは桁の違うスケールに圧倒されるだろう。でもそれをバックにした健さんの背中は、映ってる面積こそちっぽけだがすっごく大きく見えた。

追記:健さんっていくつなんだろう?と思い、調べてみたら1931年生まれの今年75歳だった。元気やなぁ!と思ってたら写真の男も同い年だとわかって驚いた。最近の若いヤツはしってんのかな、四の字固め。