理系と文系で見え方違うんやろか?

事故の影響で記憶が80分しかもたない数学者と、そこで家政婦として働いたシングルマザーと息子の心の交流を描いた物語。ゆっくり、じんわりと進んでいくストーリーはハリウッドとか踊るシリーズだけが映画だと思っている世代には辛いかもしれないけど、見終わって何かホッとできる日本茶みたいな作品だった。

が、それは出演者や監督から充分予想できた部分だ。映画化されるのを知っていたので原作をあえて読まずにいたのだが、そんな素の状態で見て衝撃を受けたのは博士の視点、理系のセンスだった。

オレは学生時代、理系科目の方が得意だったけど、志望する職種の関係もあり文系の道を選んだ。だけどパソコンは小学校から使っていたし、機械関係にも文系にしては詳しい方だと思う。しかしそんなオレでも数字や公式が『美しい』なんて思ったことはない。でも寺尾さん演ずる博士は常に数字に意味を見出し、美しさを感じるのだ。

例えば「完全数」という言葉。文系の人間は「自分以外の約数の和がその数自体と等しい自然数」と言われてもピンとこないだろう。最小の完全数は6(6の約数は自身を除けば1,2,3の3個のみ。1+2+3=6となる)次に小さいのは28だが、これだけ発達した世の中で完全数はまだ23個しか発見されていないそうだ。そんな事実にも驚かされたが、それを寺尾さんのあの口調で説明されると確かに思った。「見事!美しい!」…このカタルシスみたいなものは理系の人間ならいつも感じていたものなのだろうか?

普通に生活していては気がつかない美しさって、まだまだたくさんあるのだろう。前項で「愚鈍なのも幸せ」と書いてはいるが、できる限りそんな美しさとか面白さとかを見つけていきたいものだと感じた。
まあ、彼みたいに時価総額に美しさは見出せないけれど…。