リストラされたサラリーマンが夫婦で強盗になり、最終的には自分をこんな目に合わせた経営者にやり返すというお話だ。

理不尽な理由で解雇された人たちは日本だけでなくアメリカにも多いのだろう。そんな人たちのウップン晴らしを狙って作ったんだと思うが、どうも気に入らない。確かに収入を絶たれ生活苦の人たちは大変だと思う。しかしだからといって簡単に犯罪に走らせ、それがうまく行くなんて展開は開き直りとはいえ公開作品としてどうかと思う。
さらにキツいのはシナリオの荒さだ。あんな動機も方法もいい加減な犯罪が成功するわけもないし、笑えすらしない。どうもコメディ映画だから勢いでごまかし、適当でいいと思ってるらしいが、笑いだからこそもっと緻密に状況や設定を計算するべきだ。この映画はリメイクらしいが、作り直すんならそのへん誰か気づかんのやろか?「復讐」の前にちゃんと「復習」しとけよ。

ジム・キャリーはシリアスな演技やハートウォーミング系の作品ではいい味出していると思うが、笑いに関してはどうも俺とはあわない。「アメリカ版ねずみ小僧」を気取るのもいいけど、こんな駄作に1億ドル(約122億円)も使うなら、その分を映画の社長や写真のおっさんみたいに貧民救済に回したほうがよっぽどいいのに。