
これぞバカ映画!(間違ってもおバカ映画ではない!)
俺の敬愛する足立区のおじさんの新作は賛否両論だと聞き、劇場に行ってきた。
始まってすぐ感じたのはガス抜きとか、好き勝手やっちゃってる雰囲気。これまでの作品でいうなら迷作「お~い!やってるか」のテイストだ。くだらねぇ!(褒め言葉)ギャグも随所に散りばめられているのに、映画館で笑っているのは俺ひとり。どうやら皆さん「巨匠 北野武監督」が込めた「深いテーマ」を読み解こうと必死みたいだったが、時間の無駄だからこれから見る人はやめた方がいい。
音楽の世界だと自分の曲を歌いなおしたり、アレンジを変えたりする「セルフカバー」という言葉があるけど、この映画はたけしさん本人が自分の作ってきた映画、今の自分を茶化して遊んでる「セルフパロディー」なんじゃないだろうか?
はじめから芸人というホームグランドにいて、映画という「最高のおもちゃ」を与えてもらって遊んでたはずなのに、いつの間にか作品が評価されて「世界のキタノ」扱い。事故後はバラエティの露出が減ってきたせいもあって世間の評価は ビートたけし<北野武監督。ビートたけしの方が考えたくだらない設定でも、世間は勝手に北野作品の持つ意味とか言って深読みしたがるおかしな状況に「これならどうだ!」「これをどう深読みするんだ?」と悪戯をしかけているのがこの作品だと思った。
60近くなって瞬発力はもちろん衰えてるけど、こんな味のある形で「まだ世間に挑んでいる、おちょくっている芸人」の姿を見て、ちょっとうれしくなった。
これから行く人は「燃えよドラゴン」の名台詞を思い出してから見てほしい。
「考えるな!感じろ」考えても全く意味ないぞ。