俺には何とも理解しがたいことの一つに、女子の言う「かわいぃ!」がある。

子犬、新作のシャツ、友達の髪型、何を見ても最上級のホメ言葉は「かわいぃ!」のくせに男が「合コンにかわいいコ呼んでよ!」と頼んだ時には絶対呼んでくれない・・・まあ愚痴は置いておいて、この映画はそんな「かわいぃ!」が詰まった女子向きの作品だ。

確かに透き通るような白い肌と薄いブルーの瞳の姉妹は、ヘンな意味じゃなくかわいすぎる。しっかりモノでおませなお姉ちゃんに、わがままで甘えん坊の妹。こないだも「はじめてのおつかい」を見て号泣していたバカ親としては「うぉー!娘欲しい」と思ったのは事実だ。

ただ彼女たちはどこにでも普通にいる姉妹なのに、2人をとりまく環境が異様におとぎ話化されているのが気に入らなかった。イモばっかり研究してるオヤジに森公美子(写真)みたいなお隣さん、エピソードにオチをつけるためだけに出てくる異様にヘタレな警官。背景や部屋の中も不自然にポップで無理矢理「絵本を映像化しました」という感じ。女子は喜ぶかもしれんけど、俺は途中から眠くてしょうがなかった。

でもこの映画、母国では歴代興行収入1位だったらしい。高度情報化社会の21世紀にこんな能天気な映画をみんなでボーっと見てるなんてフィンランドってどんな国やねん!
俺より上の世代の男が「スウェーデン」と聞くと勝手にフリーセックスとかエロを想像してしまうように、まだまだ未知のエリア、「北欧」恐るべしである。ってどんなオチや。