薄いのぅ・・・。

大ヒット少女マンガの映画化。原作は局地的にだがすごい人気なのでマンガ喫茶で読んでみたが、平成に舞台を移した典型的な少女マンガだった。憧れの存在が王子様お姫様からカッコいいミュージシャンになり、主人公を含むグループの中で都合よくくっついたり離れたりする。そこに最近流行りの「自分探し」の要素を加えたら出来あがり、それ以上でもそれ以下でもない。

映画館はそんなマンガのファンと思われる中学生女子の2~3人組だらけでほぼ満員。オッさんは俺一人。半分変質者のような視線を感じながら見終わったが、感想は冒頭の一言のみだ。

日本もハリウッドも原作不足なようで小説やマンガの映画化というパターンは最近よくあるが「亡国のイージス」などの項で書いた通り、原作の深みを2時間の枠では表現しきれずに中途半端な作品になることが多い。ところがこれは「これで十分ちゃう?」という感じ。もちろん全てのエピソードが押さえられているわけではないが、大まかな流れは網羅しているし、マンガではたくさんページを割いている心の葛藤は飛び道具の「心情ナレーション」で誤魔化してある。だから「要約」としてはよく出来ているけど、逆にこんな薄い話をよう伸ばしてるなとマンガの方に感心した。

薄すぎてスケスケのこの映画で濃いものが2つ。宮崎あおい演じる「ハチ」のうざったさ(俺らの世代でいうと「東京ラブストーリー」で有森也美がやったような「オンナオンナした」役)と中島美嘉の悪魔メイク。入浴シーンでの薄化粧の顔の方がかわいかったのは、逆に発見だ。