青島だぁ!

人は大概、それぞれヘンな癖や、他人には話せない秘密をもってるくせに、自分では普通だと思ってる。それが進行してしまうと社会生活に支障をきたす「病気」になってしまうわけだが、それを今までのように深刻に考えたり、同情したりせず笑い飛ばしちまえ!ってのがこの作品だ。

観客は勃起が止まらない2枚目や、強迫神経症の編集者を見て「アホや!」と思いつつ、頭のどこかで自分の近い部分を思い出しながら笑う。それに油を注ぐのが主人公の精神科医、伊良部一郎だ。この男、「苦しむというよりはちょっと困ったことになっちゃってる」レベルの患者だとはいえ治療する気ゼロ。それどころか患者の弱みにつけこんで遊び倒す、現実にいたら最悪の医者なのだ。

実際病気で苦しんでいる人にとっては「ふざけるな!」だろうが、このむさくるしい40男の無邪気さと、それを本当にイキイキ演じている松尾スズキに気づいてしまうと、もうダメ。「もっとやれ!もっと追い込め」見る側のココロをダークサイドに引きずり込んでいく。

・・・ここまで書いていて気づいた。そうや!「意地悪ばあさん」や。昔懐かしい「月曜ドラマランド」で、後に都知事にまでなったおっさんが、三波春夫の息子やイッセー尾形のおまわりさんをいじめ倒してた。あの名作もシリーズ化されたけど、このシリーズもヘンな患者には困らないだろうから是非次回作を期待したい。

ヒネたことばかり書いてるお前こそ、ヘンな趣味とかあるんちゃうんかって?確かにプールではないけど、スクリーン依存ではあるような気がする。ダメな映画こそ見に行ってしまう・・・助けて!