
分けてないやん・・
「パートナーと2人で災難にあった。このまま2人でいたら、間違いなく2人とも助からないが、相手を見捨てれば自分は助かるかも・・・」いわゆる緊急避難の状況に陥った登山家の実話に基づく作品だ。
この映画、CGを使わずにアンデスに撮影隊を送り込んだだけあって、山の映像はかなり迫力あるが、一番ものすごかったのは怪我した登山家の生きようという精神力だ。片足しか使えない状況で杖も食料もなく、1週間ちかくかけてクレパスをよじ登り、氷河を抜け、岩場を歩くというより転がり抜ける。モチベーションを維持するため、少し先の目標を設定し「あそこまで20分でいく」と決めて進み、それを繰り返す。終わりの見えない目標を目指すには最良の方法を最悪の状況下で実行し続けた彼に感動すら覚えた。
ただドキュメンタリー的なつくりとはいえ、元気になった本人が出てきて語るというのはどうなんだろうか?古本屋で買ったミステリーの序盤で「こいつが犯人」って落書きを見つけてしまったような気分。助かるとわかっている遭難者の物語は確かにすごいけど、興ざめしてしまったのも事実だ。
また、邦題の「運命を分けたザイル」ってのも内容説明しすぎだし、案外分かれてないんだこれが。分け目ってのは写真の人の髪型ぐらいキッチリないとね。
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