
カンペキってツマンない。
記憶をなくしたCIAのトップエージェントが「自分探しの旅」で派手に奮闘するお話。妙にカメラを揺らしすぎるブレブレアクションもイマイチ垢抜けないM・デイモンも気にいらないが、まあそこは趣味の問題としよう。
でもこの物語、面白くないのは主人公が強すぎるからだ。記憶を失った事以外は全ての行動が完璧。敵どころかCIAの同僚までも簡単に組み伏せ、どんな包囲網も簡単に突破。やることなすこと全て先手を打つ。元同僚のセリフにあったのだが「彼に思いつきの行動はなく、そしてミスもない」そうだ。
ウルトラマンの例を出すまでもなく、ヒーローにはやられることが必要だ。怪獣の攻撃を受け、カラータイマーが鳴る。やばい!どうしよう。そこから反撃するから観客はスカッとする。ジャッキー・チェンでもシュワでもドラえもんでも必ず追い詰められ、ギリギリの状況を何とか切り抜ける。それができなかったのが「十三(じゅうそう)の超ナルシスト外人」ことS・セガールだ。強い自分を見せたいがため、作品中カスリ傷ひとつ負わない彼の映画。沈黙していたのは戦艦や要塞よりも、むしろ観客の方だった。
それでもノーミスという方はまだいるかもしれん。でも理解できないのが「思いつきで行動せず、全ての行動に目的がある」というほうだ。ならなにか?「天気がいいから散歩にでたら犬のフンを踏んだ」のは日光浴によって体内の血液の循環をよくするためで、「コンビニでHな雑誌の表紙に引きつけられたけど、ビニールのテープで綴じてあってちょっとガッカリした」のは男性の性衝動に関する調査とでも言おうってのか?
空港からの帰りに時間があったから「思いつきで」映画館に入り、ツマらん作品をみてしまう「ミスを犯し」ちまった俺としてはジェイソン・ボーンがホンマに羨ましい・・・
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