何にもない。でもそれがいいこともあるんだ。

湖に浮かぶ寺の和尚と小僧。その人生が四季になぞらえられて淡々と描かれるだけ。美しく厳かな風景は西洋人には「アジアンビューティー」なのかもしれないが、気の利いたセリフもエンタメ性もない。でも見ていてとても落ち着いた気分になった。あったかい日本茶飲んだ後みたいだ。

金かけてロケ行ってCG使って…情報過多の最近の映画とは対極にあるこの作品は、人生の春夏秋冬、いろいろな時期の観客が見て、何かを勝手に感じるための「ロールシャッハテスト映画」だと思う。自分がどの季節を経てきて、そこでどんなことがあったのか…スクリーンをみつつ自省していると、終盤近くで圧迫感のある歌声が。静かに考えさせてくれようぅ!最後のアリランは俺にとってはちょっと余計だった。

でも、春夏秋冬で終わりでなく、次にやっぱり春が来るのが救いだよなぁ。

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