
最近、映画のエンドロールは長い。エンディングテーマみたいなヤツがフルコーラス終わってもう1曲かかったりする。でもこの映画は違った。出てる役者がたったの4人。しかも一人はセリフなしの置物みたいな出演だから、1時間半を見せきった残り3人の熱演には拍手を送りたい。
これまでの原爆映画というと「はだしのゲン」のように悲惨な状況を派手な映像で連発する映画が多かったが、この作品では娘の「生き残ってしまった者の苦しみ」を通して戦争のむごさを見事に隠喩。「私は幸せになってはいけない人間なんだ」地味な表現だけにかえって「ふだん喋らないヤツのふとした一言」みたいな重みがあって心に染みた。
こないだまでリハウスガールだった宮沢りえも30歳を越した。「たそがれ清兵衛」の好演など、色気とは違うはかなげな魅力をもった和風美人に成長したように見えるが、10年後は油断するな!ママの血は侮れないぞ。