
昭和から平成になって弱くなったもの、プロレスとオヤジの威厳。かつて「強いもの」という幻想だけで恐れられていた両者の弱さ、悲しさを見事に描いた力作だ。しかし一番強く伝わってきたのはその裏側にある本当の強さのほうだった。
「プロレスラーなんて八百長だ」「オヤジなんて給料運び」みたいな風潮があるが、年に数回戦うだけで強いとされているK1やプライドの選手が、200試合以上戦うプロレスラーと同じ過酷な日程に耐えられるか?バカにしているオヤジの給料、バイトで稼いだらどんだけ時間かかるかわかってるか?
平成生まれのアイドルが出てくる時代だけど、いろいろ変な事件が起こったり、経済成長が行き詰まってすさんだ空気の流れる今、昭和の良さを見直したらどうだろう?別にジジ臭い説教たれるつもりはないが、日本人がもっとイキイキしていた時代には、技術とか情報流通の進歩で失った大切なものがあったような気がする。
この映画に出てくる古き良きプロレスファン達を眺めていて、そんなこと、考えていた。