これは田舎の風景
10月末とは思えない暖か陽気の日曜日、わたしは陽の当たらない場所に籠ってお仕事ごとしております。
バイトくん達がわんさかいなさったんです。エレベーターからフロアへの移動が一緒になりまして。学生バイトくんバイトちゃんの中に紛れ込んでしまった不審者はわたしです。
どこの大学たら、どこの持ち場たら、当たり障りない会話が飛び交う中、お昼ごはんどーする?ってなった時、それまで全く会話に参加していなかった、後ろにいたワイルド寡黙系イケメンくんがぼそっと、
「かぁちゃんのおにぎりあるから食堂行くわ」
高木くんーーー!!!
それまで下向いて存在消してたけど、この発言に一気に顔上げたら思いの外近い。おもくそ目が合ってしまい、テンパったわたし、
「おにぎりの具はおかか?」
ナチュラルに出ちゃったよね。
何言ってんだ顔されたのはわかったよ、うん。それまで黙ってた、なんだこいつ的存在のわたしが急に話しかけたから。
「いや、山菜と唐揚げっす」
おかかじゃなかったけど、ちゃんと答えてくれた彼はとても好青年。高木くんほどのイケボじゃなかったけど、救われました。
あらゆるところに、罠があると知った今日の出来事。
エンジェル伊野尾×3は、1伊野尾引き取り手が現れて旅立ってゆきました。