今年最後の12月31日は、臨時特急「水上91号」の撮影で締めくくりました。
(「水上」クハE651-1006・吹上〜行田・2017年12月31日)
今年、「水上」は年末年始と夏に運行され、今年の夏から651系を使用しています。残念ながら「臨時」表示でした。
ところで「水上」の目的地となる上越線水上駅は奥利根温泉郷の玄関口で、1957年(昭和32)年に準急「ゆけむり」の運行を開始したのを皮切りに、「奥利根」「みくに」「ゆのさと」「苗場」「上越いでゆ」「みなかみ」等が運行されました。
1965(昭和40)年に準急を「奥利根」に統一。翌1966(昭和41)年に急行に格上げされました。さらに1968(昭和43)年に「ゆけむり」に名称を変更しています。
(「ゆけむり」クモハ165・鶯谷・1982年8月)
「ゆけむり」は吾妻線の急行「草津」や両毛線の急行「あかぎ」と併結。同じ高崎・上越線の急行「佐渡」「よねやま」よりも停車駅を増やしていました。
多客期には越後湯沢や石打に延長運転を行いました。特に冬季はスキー臨時列車「石打スキー」「小出スキー」「新雪」とともにスキー客を輸送して活躍しています。
1982(昭和57)年に185系200番代を投入。11月15日のダイヤ改正までは一部の「ゆけむり」に充当されました。
(「ゆけむり」クハ185-302・上野・1982年8月)
1982(昭和57)年11月15日のダイヤ改正で、「ゆけむり」の一部をL特急「谷川」に格上げしました。
(「谷川」クハ185-306・湯檜曽〜土合・1983年10月)
L特急「谷川」は下り4本、上り5本を設定。この時は急行「ゆけむり」も3往復残りました。
1985(昭和60)年3月14日のダイヤ改正で、東北・上越新幹線が上野まで延伸したことにより「新幹線リレー号」が廃止され、余裕が生じた185系200番代によって、165系急行を置き換え。この結果「ゆけむり」が廃止されました。
同時に「谷川」は自由席主体、定期券での乗車可能、料金の引き下げ、停車駅を増やした新特急となっています。
(「谷川」クハ185-316・上牧〜水上・1991年)
この時に行楽列車から通勤特急へシフトした感がありますね。
1997(平成9)年、上越新幹線に「たにがわ」が新設されたことから、「谷川」の名称を「水上」に変更。
(「水上」クハ185-316・新町〜倉賀野・2007年1月20日)
2002(平成14)年にはL特急、新特急の呼称を廃止して特急「水上」となっています。
そんな「水上」でしたが、上越新幹線や高速バスに打ち勝てず、2010(平成22)年12月から週末のみ運転の臨時列車に格下げ。2012(平成24)年からは年末年始や夏の多客時のみ運行の列車となりました。
(「水上」クハ185-314・行田〜熊谷・2013年1月2日)
通勤特急の役割は「あかぎ」に任せた感じですが、寂しいと言えば寂しいですね。
今年は4年ぶりに夏臨も運転し、しかも651系化。この年末年始も651系で運行されています。
(「水上」クハE651-1006・吹上〜行田・2017年12月31日)
かつての行楽列車から通勤特急となり、現在は臨時列車で細々と運行している「水上」。この列車に未来はあるのか正直心配です。