大宮総合車両センターの構内にはカットボディが保存されていますが、そのなかでもやっぱりキハ391系には興味津々なのです。
(キハ391−1・大宮総合車両センター・2017年5月27日)
キハ391系はガスタービン動車の試作車で、1972(昭和47)年に試作されました。3車体4台車の連接構造を採用。中間車がガスタービンエンジンを搭載した動力車で、両端の先頭車が普通車という設定でした。
連節式ですが、連結部分に台車を装着する一般的な連節車とは異なり、ボギー構造の中間車が先頭車の車体を支持する構造を採用していました。
そして、客室を持つ先頭車には自然振子装置を搭載。一方動力車の中間車は非振子車なので、中間車と先頭車の連結部分は特殊な構造になっていて、先頭車の車体傾斜を許容していました。
なお、なぜ先頭車が振子車で動力車が非振子車なのかというと、振子式を採用する理由は乗客にかかる超過遠心力を0.08G以下にするためだからです。つまり客室がない動力車の車体を傾斜させる必要はないわけです。
そんなキハ391系ですが、自然振子装置の構造も381系とは異なっていました。
381系は台車枠に設置されたコロの上に円弧状の振子梁を載せ、振子梁が車体を支持する構造でした。
しかしキハ391では車体下部が円弧状になっていて、振子梁と同じ役割を果たしています。
(キハ391−1・大宮総合車両センター・2017年5月27日)
振子コロはボルスタ上に搭載されていて床下を支持。このボルスタを台車枠と枕ばねが支持していました。
なお、先頭車の連結器もかなり独特。
(キハ391−1・大宮総合車両センター・2017年5月27日)
というか完全な簡易型です。
これは低重心化で極端に床高さを下げているため、緩衝器を取り付けるスペースを確保できなかったのかと思います。
キハ391系はカットボディとなってしまいましたが、このような特徴的な部分を見ることはまだできます。
でも、3両編成の姿をもう一度見たかったです。