JR四国から東武鉄道に譲渡された12系、14系ですが、10月3〜4日に第1陣が熊谷貨物ターミナルから南栗橋車両管区に輸送されます。12系、14系は3両ずつに分割。秩父鉄道の電気機関車に牽引される甲種輸送列車として羽生駅に到着後、東武鉄道に引き渡されました。そんな12系、14系と東武線内の牽引車8000系を見に羽生駅に行って来ました。
(クハ81106・羽生・2016年10月3日)
8000系4両編成+12系、14系3両+800型3両編成の堂々たる10両編成で待機していました。
しかもご丁寧にヘッドマークもついていました。
(クハ81106・羽生・2016年10月3日)
さて、譲渡された客車をチェックしましょう。今回6両が譲渡されていますが、東武鉄道のSL列車は3両編成と発表していますので、もしかするとこのタイミングが見納めになる車両があるかもしれません。
ということで、JR時代最後の姿を記録するのが今回羽生にいった目的でもありました。
搬入第1陣はオロ12 10+オロ12 5+スハフ14 5の3両です。
(オロ12 10・羽生・2016年10月3日)
オロ12形は1988(昭和63)年にJR四国が「アイランドエクスプレス四国」に続くジョイフルトレイン第2弾としてハイグレード化した6両の内の1両です。
オロ12 10はシートピッチ1,400mm1+2列のリクライニングシートを配置していますが、登場時はオハ12 10のままでした。
(オロ12 10・羽生・2016年10月3日)
同時期に改造されたスハフ12 3、6も普通車のままでしたが、残る3両が改造された時点でグリーン車に格上げされ、形式変更されました。
残る3両のうちオロ12 6、9はカーペット車、オロ12 5がリクライニングシート車となっています。譲渡されたのはこのオロ12 5です。
(オロ12 5・羽生・2016年10月3日)
オロ12 5、10を含めた12系ハイグレード車は晩年「ムーンライト高知」に使用されましたが2009(平成21)年1月に運行を終了しました。なおオロ12 5、10以外の4両は若桜鉄道に譲渡されました。
オロ12 5は車体の痛みが激しい印象ですが、台車は整備して再塗装してあります。
(オロ12 5・羽生・2016年10月3日)
よく見ると台車枠右側にあるはずの車軸発電機がついていません。譲渡を前に撤去したのでしょうか?
ともあれオロ12は部品取りになりそうな気がします。もしかするとこの姿が見納めになるかも知れません。
第1陣唯一の14系はスハフ14 5です。
(スハフ14 5・羽生・2016年10月3日)
14系は2005(平成17)年にJR東海からJR四国に4両譲渡されました。スハフ14 5は譲渡時は「ユーロライナー」カラーでしたが、2006(平成18)年に国鉄色に塗装されました。
スハフ14形にはディーゼル発電セットを搭載しているのでスハフ14 5には電源車としての需要がありますが、同じくスハフ14 1も譲渡されていますので、1両使用1両予備となるか? それとも2両とも使用して1両を非常用電源車とするのか? はたまたどちらかが部品取りになるのか非常に気になるところです。
客車と電車の間はブレーキ管(BP)を繋いでいるようです。
(オロ12 10/クハ805-1・羽生・2016年10月3日)
BPは自動空気ブレーキを動作させるための空気管です。
東武8000系の常用ブレーキは電磁直通空気ブレーキ(HSC)なので、直通管(SAP)と電磁回路が必要ですが、12系、14系には装備されていません。
しかしHSCはレスポンスに優れる半面、空気管が破断するとノーブレーキとなるので、非常用に自動空気ブレーキを搭載しています。今回はこの自動空気ブレーキを使うことで編成全体にブレーキをかけることができるということなのかなと思います。
羽生・南栗橋側には800型3両編成が連結されていました。
(モハ805-3・羽生・2016年10月3日)
輸送列車は東武動物公園駅で進行方向を変えるので、電車で客車を挟んだいわゆるプッシュプル編成になっています。
モハ805-3にもヘッドマークがついていますが、なぜか上からシートを貼っています。
8000系と800型は電気的には繋がっていませんので、協調運転をすることはできません。
となると、この列車は先頭側の編成2Mで客車と他編成を牽引していくのか? それとも両編成に運転士が乗務して4M体制で運行するのかとても気になりますね。