
(EF65 1115/EF65 2139/EF81 81・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
国鉄大宮工場は国鉄分割民営化の際にJR東日本とJR貨物に分けて承継されました。現在はJR東日本大宮総合車両センターとJR貨物大宮車両所が共存しています。
さて、今回このイベントに行った最大の目的はガスタービン動車キハ391形を見るためでした。

(キハ391-1・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
キハ82形やキハ181形と比べるとかなり間の抜けた顔つきのキハ391形ですが、1,100ps出力のガスタービンエンジンを搭載して非電化区間での130km/h運転を目論んだ試作車で、3車体4台車の連接車として1972(昭和47)年に製造されました。しかしオイルショックによる燃費問題や騒音問題、投入予定線区の電化など不運が重なり、試作のみで終わりました。
キハ391形は過去に公開されたことがあったのですが、最近は非公開で車体も荒廃していました。そして2015(平成27)年にカットボディとなってここに保存されたのですが、昨年ここに来ることができなかったので今回が初対面です。
キハ391形は低重心化を図っていて、客室と運転室に大きな段差があるのが特徴でした。

(キハ391-1・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
また客室のある先頭車は自然振子式となっていました。車体裾部の台車を避けていたかき取り部分がそのまま残っています。
カットボディの後ろ側はこんな感じで蓋をしていました。

(キハ391-1・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
先頭車の連結面は非振子の動力車に支えられる片持ち構造で、先頭車の床下には前後に渡って特殊な振子梁がありましたが、それも残っているようです。

(キハ391-1・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
カットボディなのは残念ですが、車体が残っているだけ良しとすべきなのでしょう。
キハ391形の向かい側にはお馴染みの電気機関車カットボディが並んでいます。
EF63形は信越本線横川~軽井沢間の碓氷峠で専用補機として活躍しました。EF63 13は1次形のラストナンバーです。

(EF63 13・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
補助する相手は客車、貨車、気動車から電車まで多岐に渡っていたことと、EF62形との総括制御や169系、189系、489系電車との協調運転をするために、双頭連結器やたくさんのジャンパ連結器を備えているのが特徴です。
EF60形はF級直流新型貨物用電気機関車のパイオニアです。

(EF60 47・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
EF60 47は3次量産車で、現存唯一の存在です。
なお以前はこのとなりにEF58 154とEF15 168のカットボディがありましたが、現在は塀の外側に移動していて、いつでも見ることができます。
検査を受けている電車たち。

(大宮総合車両センター・2016年5月28日)
255系やE259系、E231系1000番代が並んでいました。
また、宇都宮線用の205系600番代もいました。

(クハ205-612・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
205系600番代は車掌体験や休憩所に利用されていました。
蓄電池電車、E-EV301系「ACCUM」も展示され、車内を公開していました。

(E-EV301-1・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
「ACCUM」は電化区間や急速充電設備でリチウムイオン電池に充電し、その電力を使って非電化区間でも走ることができるれっきとした電車です。

(E-EV300-1・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
E-EV300形には2015(平成27)年に受賞した鉄道友の会ローレル賞の受賞記念マークを掲出していました。
屋外の車両展示エリアには検査入場中D51 498がいました。

(D51 498・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
でも試運転の札が入っていたので、そろそろ本線復帰でしょうか?

(D51 498・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
それにしても昭和15年に鉄道省の鷹取工場で製造されたD51 498がJR東日本大宮総合車両センターで平成25年4月に全般検査を受けたり、ATS-PとATS-Psを搭載しているのが時代を感じるし、同時にすごいなって思います。
そして電気機関車群。

(EF65 1115/EF65 2139/EF81 81・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
EF65 1115はJR東日本田端車両センター所属車です。

(EF65 1115・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
元々は東京機関区に所属して東京発着のブルートレインを牽引した同機ですが、そのほとんどがEF66形に置き換えられた後も「出雲」を牽引していました。
EF65 2139はEF65形1000番代のラストナンバーEF65 1139でしたが、最高速度を100km/hとしたことで、2000番代に改番されました。

(EF65 2139・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
そして特急色に塗り戻されて公開されていました。
ちなみにナンバープレートが赤いのは、JR貨物所属車になってからコキ50000形250000番代の100km/h運転に対応して自動ブレーキの常用減圧促進改造をしたことを意味しています。
EF81 81はかつてのお召し指定機時代の姿に戻されました。

(EF81 81・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
今後いろいろ注目を浴びそうな機関車です。
JR貨物大宮車両所内では、全検を受けている電気機関車を見ることができます。

(EH200-18・大宮総合車両センター・2016年5月28日)

(EH500-9・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
今年の車体つり上げはEF64 1010でした。

(EF64 1010・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
1エンド側には熊本を応援するヘッドマークがついていました。

(EF64 1010・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
そして車体の吊り上げ。

(EF64 1010・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
いつ見ても迫力がありますね。
ハイブリッド入れ換え機のHD300形も検査入場していました。

(HD300-9・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
こちら側に搭載しているリチウムイオン電池と制御装置が降ろされていたので、がらんとしています。
こちらがエンジンを搭載しているボンネット側。

(HD300-9・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
その横にリチウムイオン電池と制御装置が置いてありました。
運転台見学はEF65 2117を使っていました。

(EF65 2117・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
この機関車も常用減圧促進改造されていますね。
屋外にはDE11 2003。

(DE11 2003・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
DE11形の防音強化タイプです。本来は台車もカバーで覆われていますが、そのカバーが取り外されていたので台車を見ることができました。
最深部には205系の姿がありました。

(クハ205-1・大宮総合車両センター・2016年5月28日)
引退した205系先行車のうち、クハ205-1、モハ205-1、モハ204-1の3両を大宮グローアップスクエアの研修技能訓練所の訓練車として活用しています。
奥に見えるのは脱線復旧訓練所の訓練車に使われているクハ209-7です。
そんな感じで盛りだくさんだった大宮のイベントでした。