
(「カシオペア」EF510-510・東大宮~蓮田・2016年2月21日)
そんな「カシオペア」ですが、先週あたりからツアー専用列車として北海道への乗り入れへむけてJR東日本とJR貨物が協議していると報道されました。
「カシオペア」に使用しているE26系客車は1999(平成11)年に製造された、車齢17年という「若い」車両です。

(「カシオペア」スロネフE26-1・東鷲宮~栗橋・2006年9月26日)
車体は軽量ステンレスなので腐食に強く、客車なので駆動系の老朽化の心配は電車や気動車程ではありません。強いていえば電源車の発電用エンジンの寿命が気になりますが、20年ぐらいは問題ないと思います。
一方JR九州のクルーズ列車「ななつ星 in 九州」の成功で、高価格帯の豪華ツアー列車の可能性が見いだされました。そしてJR東日本はE26系使用したツアー列車を何度か運行しました。さらに「TRAIN SUITE四季島」を2017(平成29)年春から運行する予定です。同様にJR西日本も「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の製造を進めています。
今回報道されている「カシオペア」ツアー列車が北海道に乗り入れるためには大きな課題を解決させる必要があります。それが青函トンネル区間の牽引機です。
北海道新幹線の開業により、青函トンネル区間は新幹線と在来線の共用区間として上位互換となります。つまり交流25,000Vに昇圧し、保安機器がDS-ATCになります。JR北海道ED79形はこれらに対応していないので「カシオペア」を牽引して青函トンネルを通過することができません。
北海道新幹線の開業以降、この区間を通過することができる電気機関車はJR貨物EH800形のみとなります。

(EH800-901・東福島・2013年1月23日)
ということでJR東日本がJR貨物に協議を申し入れているということですね。
これが実現すれば、EH800形が牽引する旅客列車を見ることができるという意味でも非常に興味深いですね。運行経路はわかりませんが、EH800形が本来入線しない青森駅や函館駅でもEH800形を見ることができるかもしれません。
では、北海道に乗り入れるとしてどのような運行ルートを辿るのでしょうか?
自分の予想としては登別までの運行です。これは「TRAIN SUITE四季島」の3泊4日コースの目的地が登別だから。つまり「TRAIN SUITE四季島」運行1年前の足慣らし的意味合いもあるのかと予想しているわけです。
同じようにJR西日本が「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の運行予定エリア内で、「特別なトワイライトエクスプレス」を運行していることも、この予想の根拠です。ただそう考えると「トワイライトエクスプレス」の北海道乗り入れは「TRAIN SUITE四季島」運行開始までのつなぎのような気もしてきますが。
実際にはどうなるかわかりませんが、4月以降の「カシオペア」北海道乗り入れには期待したいところです。