
(「さざなみ」クハ183-1504・佐貫町~上総湊・2004年8月22日)
「さざなみ」もL特急第1陣のひとつです。
1978(昭和53)年10月のダイヤ改正からはイラストヘッドマークになると同時にLマークもつきました。
L特急のポイントは高頻度運転のほか、自由席を設定したことによる利用しやすさなどもアピールポイントとなりました。
時刻表にもL特急独自のロゴがつくようになりました。

特急のイメージがL特急で向上したのかどうかはよくわかりませんが、この後全国各地でL特急が増殖していきます。その結果、1975(昭和50)年には2時間ごとに運行するL特急「いしかり」が登場しています。

(「いしかり」クハ481-1508・札幌運転所・1980年7月)
この「いしかり」はグリーン車のないモノクラスの6両編成でしかも指定席は1両だけで、国鉄特急としてはかなり例外的な存在でしたが、逆に言えば現在のJR特急の元祖的な存在でもあったと言えるのかもしれません。
さらに1978(昭和53)年10月のダイヤ改正ではペアでL特急という列車が登場しました。
例えば奥羽本線系統の特急「つばさ」3往復と「やまばと」3往復をペアとして6往復のL特急に指定しています。

(「つばさ」クハ481-1024・鶯谷・1987年3月)
同様に「はつかり」と「やまびこ」がペアでL特急となり、「白山」は「あさま」のペアとしてL特急化。もはやL特急の乱発というイメージでした。
JR発足後、急行列車の特急格上げによって高頻度運転の特急列車が大増殖する一方。「スーパー○○」という特急列車がL特急ではない形で高頻度運行されるなど、L特急の位置づけが曖昧になってきました。そんななか、JR東日本は2002(平成14)年12月1日にL特急の指定を廃止しました。さらにJR九州が2008(平成20)年、JR西日本が「しらさぎ」以外のL特急を2010(平成22)年に指定廃止。JR四国も2011(平成23)年にL特急の指定を廃止しました。
現在L特急として残っているのはJR北海道とJR東海を起点とする5列車です。
「スーパーカムイ」

(「スーパーカムイ」クハ789-1003・江別~豊幌・2010年6月1日)
「いしかり」から「ライラック」へ発展した後、速達列車の「ホワイトアロー」~「スーパーホワイトアロー」の2本立てとなり、「スーパーカムイ」に集約されました。
「すずらん」

(「すずらん」クモハ785-103・植苗~美々・2010年6月2日)
「ライラック」の千歳・室蘭本線区間を独立させた列車ですが、現在は高頻度運行をしていないのでL特急の本筋からは一番離れています。
「しなの」

(「しなの」クロ383-7・山崎~高槻・2005年9月17日)
「ひだ」

(「ひだ」キロ85・久々野~飛騨一ノ宮・2005年8月9日)
「しらさぎ」

(「しらざぎ」クハ680-504・米原・2015年10月10日)
JR東海エリア発着の3列車がL特急として残っています。
もっとも、L特急の特別性はなくなっているので、L特急で存知する必要があるのかどうかはよくわかりません。
まぁL特急の黄金期を知るものとしては、L特急が残っていることを複雑な気持ちで見ていますが。