
(108・極楽寺車庫・2015年11月28日)
タンコロとは、江ノ電で最後の単行運転をしていたことから晩年に名付けられたものです。ちなみに江ノ電初のボギー車でもあります。
このタンコロは製造年次や製造メーカーなどの違いで100形101~104号車、105形105号車、106形106~110号車に分かれ、さらに他社からの譲渡によって111~112号、113~114号(初代・二代)、115号、116~117号が存在しました。
その後連接車への改造や、他社への譲渡、廃車などで数を減らし、最後まで残った107号と108号が保存されています。ちなみに107号は由比ヶ浜の公園で保存され、普段も見ることができます。
そんなタンコロ108号車は1931(昭和6)年に新潟鐵工所(現・新潟トランシス)で製造されました。
ボギー台車は新潟鐵工所製のNDE-1形。

(108・極楽寺車庫・2015年11月28日)
枕ばねは板ばねで、コイルばねを軸ばねに使っています。
主電動機出力は37.3kW。

(108・極楽寺車庫・2015年11月28日)
もちろん吊りかけ駆動で、歯車比は4.19。
連結運転を考慮していないので直接式の抵抗制御でした。

(108・極楽寺車庫・2015年11月28日)
床下にある主抵抗器はかなりかわいらしいです。

(108・極楽寺車庫・2015年11月28日)
ブレーキも直通空気ブレーキと至ってシンプル。

(108・極楽寺車庫・2015年11月28日)
ブレーキ制御装置はウエスチングハウス社製のようです。
この108号ですが、ATSを搭載することができなかったために引退を余儀なくされましたが、保存状態は良く、いまでも自力走行することができます。
もしATSが搭載できれば観光列車に使えるかもと思ったのですが、通常ダイヤで走らせるには輸送力が小さすぎますから現在の12分間隔のダイヤに割り込ませることは難しそうですね。