
(クハ4017・横瀬・2015年10月4日)
構内には電留線があります。また、かつて電気機関車を検修していた横瀬車両基地もあります。そして横瀬車両基地の機関庫内で、西武の電気機関車、蒸気機関車、電車などが保管されていました。
しかし今年の冬の豪雪で機関庫が倒壊してしまいした。
現在、保存車両はシートをかけた状態で保管されています。

(横瀬・2015年10月4日)

(横瀬・2015年10月4日)
一番奥にはD15形ディーゼル機関車D16号機と、2000系2023Fが留置されています。
D15形は西武鉄道拝島線小川駅からブリヂストン東京工場へ延びていた貨物線用線のけん引機 として1969(昭和44)年に製造されたものを、1983(昭和58)年の専用線廃止に伴って西武鉄道が譲り受けたものです。
西武鉄道では横瀬駅構内と東横瀬駅構内で入れ換えに使用。1996(平成8)年の貨物営業廃止によって11月5日付けで除籍されましたが、その後も横瀬駅構内の入れ換えに使用されています。
さて、横瀬の保存車両はどれもが希少車ばかりです。
E71形E71号機

(E71・横瀬・2012年9月30日)
1925(大正14)年の東海道本線電化に備えて鉄道省がアメリカのウェスティングハウス・エレクトロニクス社/
ボールドウィン社に発注し、1922(大正11)年に輸入した1000形が前身です。1928(昭和3)年の形式称号改正でED10形となりました。1959(昭和34)年に1号機が廃車。翌1960(昭和36)年に2号機が廃車されましたが、2号機は西武鉄道に譲渡されてE71形となりました。
1986(昭和61)年に廃車後横瀬車両基地で静態保存されました。後にED10 2に復元されています。
E61形E61号機

(E61・横瀬・2012年9月30日)
1923(大正12)年に鉄道省がアメリカのゼネラル・エレクトリック社から輸入した1010形電気機関車1011号機で、1928(昭和3)年にED11形に形式変更されました。1号機は1960(昭和35)年に廃車された後、西武鉄道に譲渡されてE61形となりました。2号機は現在リニア・鉄道館で保存されています。
E51形E52号機

(E52・横瀬・2012年9月30日)
1923(大正12)年にスイスのブラウン・ボベリ社/シュリーレン社から鉄道省が輸入した1020形2両で、形式称号改正でED12形となりました。
1949(昭和24)年に西武鉄道に譲渡され51形→E51形となりました。E51号機が1976(昭和51)年に廃車され、後に解体。E52形は1987(昭和62)年に廃車後、保存されています。
E41形E43号機

(E43・横瀬・2012年9月30日)
青梅鉄道(現・JR青梅線)がイギリスのイングリッシュ・エレクトリック社に発注したいわゆるデッカーと呼ばれる電気機関車で、1926(昭和元)年製が1号形、1927(昭和2)年、1929(昭和4)年製が2号形2~4号機として入線しました。後に1010形1011~1014号機に改番されました。
1944(昭和19)年には国有化され、国鉄1010形として活躍。1949(昭和24)年に1012号機が西武鉄道に譲渡されて41形42号機に、1950(昭和25)年には1011号機が41形41号機として西武鉄道に入線。
1013、1014号機は1952(昭和27)年にED36 1、2に改番されましたが、1960(昭和35)年に西武鉄道に譲渡されて43、44号機となりました。そして1961(昭和36)年E41形に改称されています。
E41は1976(昭和51)年に、E42は1986(昭和61)年に廃車されました。そして1987(昭和62)年にE43とE44も廃車され、横瀬車両基地で保管されました。E44は1990(平成2)年にJR貨物に譲渡され、新鶴見機関区で保管されているようです。
E851形E854号機

(E854・横瀬・2012年9月30日)
1969(昭和44)年に開業した西武秩父線の貨物列車けん引用として4両が製造されました。国鉄EF65形とEF81形の設計思想を活かした私鉄最大のF級機で、重連総括制御も備えています。
1996(平成8)年に貨物列車が廃止されましたが、E854号機が保存されました。
E31形E31号機

(E31・横瀬・2012年9月30日)
旧型機関車を置き換えるために1986(昭和61)~1987(昭和62)年に4両が製造されました。近代的な外観ですが、国鉄80系電車の台車と西武351系のモーターを搭載し、工事列車や電車のけん引に使用されました。
しかし工事列車はモーターカーに置き換えられ、電車のけん引も101系に置き換えられたため、活躍の場を失い、2010(平成22)年に廃車。E31号機が横瀬で保管されました。またE32~34号機は大井川鐵道に譲渡されています。
501系モハ505

(モハ505・横瀬・2012年9月30日)
戦後初の西武鉄道独自設計の電車として1954(昭和29)年から製造を開始した電車です。初期の20編成は17m級の制御電動車と20m級の中間付随車の組み合わせでしたが1957(昭和32)年製造の21編成以降は制御電動車も20m化。1958(昭和33)年からは初期編成の制御電動車も20m車に置き換えられ、17m車は351系に改番されました。そしてモハ505もクモハ355に改番。晩年は西武多摩湖線で使用され、1990(平成2)年に廃車されました。その後1998(平成10)年に原型に復元されて保存されています。
5000系クハ5503

(クハ5503・横瀬・2012年9月30日)
西武秩父線の開業に合わせて投入した西武鉄道初の有料特急車両で「レッドアロー」の愛称をもっています。また西武鉄道初の冷房車でもあります。1969(昭和44)年の登場当初は4両編成で、先頭車に電気連結器を装備して、2編成併結の8両編成や101系との併結を考慮していました。なお動力性能的には101系と同一です。
1974(昭和49)年製造の5509編成から6両編成となり、1976(昭和51)年までに全編成6両編成化されました。
1978(昭和53)年製造の5511編成が電照式愛称表示器を装備。ほかの編成も設置改造が施されました。
後継車の10000系の登場で1995(平成7)年までに全車が引退。クハ5503が横瀬に保存されましたが1999(平成11)年に原型に復元されています。
101系クハ1224

(クハ1224・横瀬・2012年9月30日)
101系も5000系やE851形と同様に西武秩父線用として登場しました。性能的には5000系とおなじで、発電ブレーキ、抑速ブレーキなど山岳路線に対応しています、またレモンイエローの塗装を初めて採用した電車です。
101系、新101系と製造されましたが、101系2010(平成22)年に全車引退。最後の編成の先頭車が原型に復元されて保存されています。
西武鉄道4号蒸気機関車は元国鉄400形です。

(4・横瀬・2008年10月5日)
1914(大正3)年に川越鉄道に譲渡され、西武多摩川線で活躍しました。
貨車も保存されています。

(ワフ105・横瀬・2008年10月5日)

(スム201・横瀬・2012年9月30日)
これだけの車両を保存している西武。この際鉄道公園か鉄道博物館を作って欲しいなって思います。