「ゆとり」が廃車回送されたそうです | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

7月7日に14系700番代お座敷車「ゆとり」のスロフ14形700番代2両が長野総合車両センターへ向けて配給輸送されたそうです。

(スロフ14 701・尾久車両センター・2011年11月15日)
「ゆとり」は2008年に引退したのち、中間車はすべて廃車解体され、緩急車のスロフ14形700番代だけが尾久車両センターに留置されていました。
「ゆとり」の前身は14系最初のジョイフルトレインである「サロンエクスプレス東京」で、1981(昭和56)年に国鉄東京南鉄道管理局が14系座席車を種車として改造しました。

(スロフ14 702・土呂~東大宮・1984年9月25日)
「サロンエクスプレス東京」は7両編成で、1~6号車がコンパートメント席を設置し、7号車のスロフ14 702にはラウンジとビュフェカウンターを備えていました。そして1、7号車の編成端部には展望室を備えていたのも大きな特徴でした。
展望室の設置にあたり、発電セットの排気口を展望室に露出させないことと、種車の乗務員室を活かしたため、種車のスハフ14形を方向転換。便洗面所とデッキを切除して展望室を設置しました。

(スロフ14 701・尾久車両センター・2011年11月15日)
この手法はその後のジョイフルトレインに影響を与えています。
塗色は「サロンエクスプレス東京」「ゆとり」とも同じで、赤7号をベースとして朱色3号のラインを中央部と腰部に、窓上に黄色6号の帯を巻いています。
これは今まで国鉄が使用していなかった塗色を検討した結果らしいです。

「サロンエクスプレス東京」の登場で、従来のお座敷車を含めてジョイフルトレインというジャンルが確立しました。そして団臨として各地に出没。

(EF58 89・土呂~東大宮・1984年9月25日)
EE58との組み合わせも多かったですが、特に61号機と89号機が人気でしたね。
さらに「サロンエクスプレス踊り子」や「サロンエクスプレスそよかぜ」といった、臨時特急も運行されて話題になりました。

(「サロンエクスプレス踊り子」EF65 1091・大船)
「サロンエクスプレス東京」は1997(平成9)年にお座敷車「ゆとり」に再改造。その際に6両編成となりました。

(「お座敷ゆとり水上」スロフ14 702・津久田~岩本・2007年9月8日)
ところで「サロンエクスプレス東京」から「ゆとり」に改装された際、オロ14 702が編成から外され、1998(平成10)年から新潟の12系お座敷車編成に組み込まれ「サロン佐渡」として運用されました。2001(平成13)年 に普通車化されてオハ14 1702となりましたが、2002(平成14)年に廃車されています。

そして2008(平成20)年3月9日の運行を最後に引退しました。

(「お座敷ゆとり水上」スロフ14 702・群馬総社~八木原・2007年9月8日)
今回緩急車が廃車回送されたわけですが、ジョイフルトレインのパイオニアとして1両ぐらい保存してもらいたいものです。