「北斗星」と推進回送 | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

5月30日は「北斗星」の推進回送を見てきました。

(「北斗星」オハネフ25 215・尾久車両センター・2015年5月30日)
推進回送とは、機関車が客車を後押しして運転する回送列車のことです。
上野駅地平ホームは頭端式で機回しができません。しかし列車密度が高い東北本線では、高架ホームでの機回しをする余裕もありません。またプッシュプルで、回送用の機関車を用意した場合。回送用の機関車の出入区のための別の回送列車を仕立てる必要がありますが、やはり過密ダイヤなのでそのような余裕はありません。
そこで、過密ダイヤの中でもっともロスがない回送列車の運転方法として選ばれたのが推進回送だったわけです。これならば上野駅構内での入れ換えや機関車付け替えの必要はありませんし、回送列車も客車の出入区のみで済みます。
先頭になる客車には簡易ブレーキ弁を取り付け、運転士が乗務して前方監視と非常ブレーキの扱いを行ないます。貫通構造の客車の場合は、デッキに簡易ブレーキ弁を置き、ブレーキ管と簡易ブレーキ弁をホースで連結します。

(オハフ33 2231・日暮里)
非貫通形車両の場合は格納式のブレーキ弁を搭載し、雨天用のワイパーを備えています。

(マニ24 502・尾久車両センター・2007年12月4日)
また暗い時間帯では、簡易前照灯を装備します。
「カシオペア」のE26系では、前照灯も装備しています。

(カハフE26-1・上野・2007年12月11日)
実際の運転やブレーキ扱いは機関車側で行ないます。編成の最後尾で尾灯を点けて走り去っていく姿は独特ですね。

(EF510-509・井堀~尾久車両センター・2015年5月30日)
本来推進運転での最高速度は25km/h以下と定められているのですが、上野~井堀信号所間は過密ダイヤだ区間で、踏切がないため特例として45km/hでの運転が認められています。

推進回送で上野駅に入線した列車は大がかりな作業をすることなく、折り返すことができます。

(「北斗星」EF510-509・東十条・2015年5月30日)
現在では推進回送するのは「北斗星」と「カシオペア」だけとなりました。寂しいものですね。