2013(平成25)年に廃車となったしなの鉄道の169系ですが、現在4両が保存されています。今回はそんな保存車を見てみましょう。

(クモハ169-6・旧軽井沢駅舎記念館・2015年5月17日)
保存されている169系はいずれも直流急行色に再塗装された車両です。クモハ169-6は2013(平成25)年7月から軽井沢駅構内にある旧軽井沢駅舎記念館で静態保存されています。
旧1番ホームに据え付けられていますが、反対側は地面に降りることができますので、台車や機器類をじっくり見ることが可能です。

(クモハ169-6・旧軽井沢駅舎記念館・2015年5月17日)
169系のジャンパ連結器。

(クモハ169-6・旧軽井沢駅舎記念館・2015年5月17日)
右のふたつは制御用のKE64形ジャンパ連結器で、これは165系、167系と共通仕様となっています。左のホースがないジャンパ連結器が協調制御用のKE70形で、これが169系の特徴となっています。
線路側からはMR52C形主抵抗器を見ることができます。

(クモハ169-6・旧軽井沢駅舎記念館・2015年5月17日)
強調運転時の発電ブレーキ強化のため、抵抗器の容量を増加させていました。
1両で保存されているので連結面を見ることもできます。

(クモハ169-6・旧軽井沢駅舎記念館・2015年5月17日)
入れ換え用の簡易連結器が取り付けられたままですね(笑
残りの169系は、しなの鉄道坂城駅で3両編成で保存されていて、ホームからも見ることができます。
長野側の先頭車はクハ169-27です。

(クハ169-27・坂城・2015年5月17日)
パイプで組んだ階段がちょっと気になりますね。
電動車ユニットはトップナンバーです。

(モハ168-1・坂城・2015年5月17日)
直流急行形電車で原型を保つ中間電動車はこのモハ168-1が唯一の存在となります。
クモハ169-1はホームからでは前面を見ることができません。

(クモハ169-1・坂城・2015年5月17日)
ということで、駅の外に出て、クモハ169-1の前面を拝もうと思います。
跨線橋を渡り、改札を出ると駅の待合室になりますが、その右手に気になる看板が。

(坂城・2015年5月17日)
169系車輪展示中?
この奥にあるようなので行ってみました。
すると坂城駅ギャラリーがありました。

(坂城・2015年5月17日)
169系のパネルなどが展示されている奥に何かが見えますね。
行ってみると電動車の車輪が展示されていました。

(坂城・2015年5月17日)
説明を読むと、169系の予備用として保管していたとありますので、廃車されたJR車両の部品取りだったのかもしれません。
さて、169系の保存されている多目的広場に行くことにしましょう。
駅舎はなかなか良い雰囲気ですね。

(坂城・2015年5月17日)
線路に沿った道を歩けば169系にたどり着きます。

(クハ169-27・坂城・2015年5月17日)
クハ169-27の貫通扉についた階段は、車内見学用のもののようです。
こちらも床下機器をじっくり見ることができます。
国鉄新性能電車の代名詞的なインダイレクトマウントの台車です。
付随台車はTR69形。

(クハ169-27・坂城・2015年5月17日)
車軸ディスクブレーキがよくわかりますね。
電動台車のDT32形。

(モハ168-1・坂城・2015年5月17日)
モハ168-1の車番には◇○マークがあります。

(モハ168-1・坂城・2015年5月17日)
◇は中央東線や身延線にある断面の小さなトンネルを通過する対策を施している車両を意味します。169系の場合はPS23形パンタグラフを搭載して対応しました。
○は碓氷峠通過対策車で、台枠などを強化したものです、通称Gマークと呼ばれますが、頑丈のGからとったという話も聞きます。
クモハ169形は旧軽井沢駅舎記念館とは逆側の主制御器を見ることができます。

(クモハ169-1・坂城・2015年5月17日)
主制御器は協調運転対応のCS15D形です。
そしてクモハ169-1の前面にご対面!

(クモハ169-1・坂城・2015年5月17日)
せっかく編成で残っているのでやっぱり動態保存してもらいたいですね。復活してくれないかな?