
(7019/7016・王子駅前~飛鳥山・2011年3月3日)
現在の都電7000形は都電荒川線のワンマン化に向けて1977(昭和52)~1978(昭和53)年に車体更新を受けたものです。
7000形更新車で画期的だったのは、ノンステップ車だということ。

(7022・大塚駅前~向原・2011年3月3日)
低床車が登場している現代ならともかく、1970年代にノンステップ路面電車を投入するのは容易ではありませんでした。幸い荒川線のほとんどの区間が専用軌道だったので、ホームをかさ上げしてノンステップ化を実現。7000形更新車は鉄道友の会のローレル賞を受賞しています。
この7000形の原型は1954(昭和29)~1956(昭和31)年に製造された車両です。

(7082・早稲田・1979年1月)
7000形の特徴は前ドアと中ドアの配置となっていること。ワンマン電車全盛の現代なら当たり前ですが、ツーマン時代にこの扉配置をしていたのも、画期的だったといえるかもしれません。
事実土佐電気鉄道(現・とさでん交通)は7000形をベースとした600形を投入し、現在も主力となっています。

(619・文珠通・2008年9月6日)
扉配置など基本構造は7000形を踏襲しつつ、一部車両は連結運転を考慮して、間接制御方式として、連結器を備えるなどの差異はありますが。
更新されることなく廃車された7000形のうち、10両が1970(昭和45)年に函館市交通局(現・函館市企業局)1000形となりました。

(1007・松風町~新川町・2002年8月8日)
1971(昭和46)年のワンマン化に際して前面窓が改造されてしまいましたが、2010(平成22)年まで活躍しました。1007号と1006号は晩年都電カラーに復元されていました。
7000形未更新車の保存車は少なく、しかも解体された車両があるので、現存するのは2両だけのようです。そのうちの1両、7022号車は埼玉県の新しき村で保存されています。

(7022・新しき村・2015年5月5日)
7022号車は新しき村の幼稚園施設として活用されていたようです。幼稚園閉園の後荒廃が進み、一時修復しましたが、現在はまた荒廃が進んでいるようです。
なんとか7022号車がきれいに復元されるといいですね。

(7022・新しき村・2015年5月5日)