
(「はやぶさ」ED76 1011・博多・1984年8月)
後ろに見える0系も今や懐かしいですね。
さて、九州島内のヘッドマークは湾曲したデザインのお椀形ヘッドマークとして有名でした。そして、上下ふたつのフックに引っかけるという独特の構造となっていました。ヘッドマークの裏側にはフックを引っかけるための四角い穴が空いた鉄板を、ヘッドマークに対して直角に溶接していました。この鉄板はもともと蒸気機関車のヘッドマーク装着用ステーに通すためのものでした。
ボルト止めするヘッドマークと比べると装着は容易でしたが、後年はよく盗まれたようです。
1984(昭和59)年当時はED75形300番代も残っていてブルートレインの牽引をしていました。

(「さくら」ED75 311・博多・1984年8月)
交流電気機関車の決定版となったED75形は東北地区向けの50Hz仕様車として開発されましたが、九州地区の高速列車牽引用として60Hz仕様となったのがED75形300番代です。
九州では必要性がない重連総括制御や電気暖房装置を搭載していたこともあり、製造は少数に留まり、ED75形をベースに非重連仕様として蒸気発生装置を搭載したED76形に発展的解消しています。
九州島内のヘッドマーク復活で話題を呼んだのが「明星/あかつき」の複合ヘッドマークでした。

(「明星/あかつき」ED76 56・鳥栖・1984年8月)
東京発のブルートレインでも「いなば/紀伊」「出雲/紀伊」はヘッドマークを装着されなかっただけに、この複合マークの登場にはびっくりしたものです。
九州島内のヘッドマーク復活の影響か、やがて全国のブルートレインにヘッドマークが装着されるようになりました。ブルートレイン斜陽の中で、華やかさを感じた頃でしたね。