
(「トワイライトエクスプレス」DD51 1142・札幌・2014年9月2日)
北海道新幹線の開業を待たず、2015年3月に廃止されることが発表された「トワイライトエクスプレス」。さらに北海道新幹線の開業に備えた試験が始まる10月以降、平日の運行がなくなると噂されたため、一気に指定券の入手が困難になってしまいました。
8月20日にびゅうプラザによって、空席状況を調べてもらったところ、8月21日と9月2日札幌発のBコンパートメントの上段なら空いているとのこと。
一度ぐらいは「トワイライトエクスプレス」に乗車してみたかったので、なんとかスケジュールを調整して9月2日発の指定券を入手。そもそもこれが北海道弾丸ツアーの発端だったわけです。
札幌駅には本当に大勢の乗客が「トワイライトエクスプレス」の入線を待っていました。そして入線してきた「トワイライトエクスプレス」にはたくさんのカメラが出迎えていました。

(「トワイライトエクスプレス」DD51 1142・札幌・2014年9月2日)
DD51重連の旅客列車は迫力があっていいですね。
上り「トワイライトエクスプレス」は札幌を14時5分に発車します。

(「トワイライトエクスプレス」カニ24 14・札幌・2014年9月2日)
さて、普通なら乗車記を書いたりするのでしょうけど、運良く全客室設備の撮影に成功したので、趣向を変えて、「トワイライトエクスプレス」の設備を紹介しようと思います。
Bコンパートメント

8、9号車の寝台で、開放式2段B寝台に簡易仕切り扉を設けた簡易個室寝台。設備は開放式と同じで700mm幅の寝台と折りたたみ式はしごが備えられています。通常は開放式と同じようにばら売りされますが、4人で利用する際は仕切り扉を閉めて4人用B寝台個室にも利用できるようにしてあります。オーディオサービス用のイヤホンジャックがあります。
4人用B寝台個室としては、かつてカルテットがありましたが、こちらの方が柔軟に運用することができますね。
シングルツイン

5、6号車に6室ずつ、レール方向に配置されている1人用B寝台個室ですが、上部にエキストラベッドを備えており、2人での利用が可能です。メインのベッドは2脚のソファーに転換することができます。またソファー転換時は折りたたみ式のテーブルを展開して使用することができます。エキストラベッドは固定されていて、はしごで昇降します。個室のサイズは線路方向1,910mm、枕木方向950mmでベッドの幅は700mm。
ツイン

2人用B寝台個室で、5~7号車に合計23室が枕木方向に配置されています。線路方向1,434mm、枕木方向1,945mmと広めで、下段は2脚のソファに転換可能、上段は電動昇降式となっています。また上段用の窓があるのも特徴です。寝台幅は700mm。
A寝台の説明に入る前に、パブリックスペースを見てみましょう。
「トワイライトエクスプレス」の旅を演出してくれるのが食堂車ダイナープレヤデス。

「北斗星」同様485系の食堂車サシ481形を改造したスシ24形を使用しています。
4人掛けと2人掛けテーブルを配置。下りはランチタイム、ティーライム、ディナータイム、パブタイム、モーニングタイムが設定され、上りはティーライム、ディナータイム、パブタイム、モーニングタイムが設定されています。
ダイナープレヤデスの隣にあるのがサロンデュノール。日本海側の夕焼けを楽しむことができるようなシート配置になっているのが特徴です。

高い天井を利用して側窓も大型のものとなっています。
この車両には自動販売機も設置されています。

シャワールームも2室設置されています。

また7号車にもミニサロンと自動販売機が設置されています。

さあ、お次はA寝台個室です。
ロイヤル

1、2号車に4室ずつ設置されている1人用A寝台個室ですが、2人での利用も可能です。枕木方向の寸法は1,940mm、レール方向の寸法は2,910mmで、洗面台、シャワー、トイレが備えられています。ソファーに転換可能なベッドの幅は820mmですが、2人利用の際はベッド幅を1,420mmに広げて使用します。
スイート
「トワイライトエクスプレス」のシンボルであり、豪華夜行列車を決定づけたA寝台2人用個室で、1、2号車に1室ずつ配置されています。もちろん洗面台、シャワー、トイレ付き。
2号車のスイートは側廊下式でレール方向の寸法が4,500mm、枕木方向の寸法が1,945mmとなっています。

ベッドは幅820mmでレール方向にふたつ設置。ソファとテーブルは独立して配置され映像設備もあります。
そして1号車の車端部に配置される展望タイプ。

サイズはレール方向5,060mm、枕木方向は車体幅ほぼ一杯の2,750mm。ベッドは枕木方向にふたつ配置。幅は800mm。車端部には2脚のソファとテーブル、映像設備を配置しています。
下り列車では明るい時間に最後尾となるので流れ去る景色を楽しむことができます。
車両の老朽化も進んでいる「トワイライトエクスプレス」用車両ですが、JR西日本もメンテナンスをしっかりしているようで、古さをあまり感じさせませんでした。
ともあれ、引退する前に「トワイライトエクスプレス」の全設備を見ることができて良かったです。