上信越道上り線横川SAにいるキハ58 | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

上信越自動車道上り線の横川サービスエリアの建物の中には、キハ58系のカットボディが置いてあります。

(キハ58 624・横川サービスエリア・2014年1月21日)
いうまでもないことですが、横川は碓氷峠の麓の町。そして横川駅の駅弁として全国的に有名になったのが、おぎのやの峠の釜めしです。そのおぎのやが運営するのが横川SA内のメモリアルコーナーで、峠の釜めしの知名度を上げた1960年代を再現するために、JR九州で廃車となったキハ58 624を譲り受けて2009年3月26日から展示されているのだそうです。

ところでこの車両、ちょっと不自然に見えますよね。そうです。乗務員室扉に隣接する乗降扉がないんです。

(キハ58 624・横川サービスエリア・2014年1月21日)
実は譲渡されたのは運転台部分で、客室部分はモックアップなのです。

特徴的な雨樋も運転台部分で途切れていますね。

(キハ58 624・横川サービスエリア・2014年1月21日)
サボは急行「志賀」のものが入っていました。ちなみに反対側にはサボ受けはありません。

運転台部分はクリア板で保護されていますが見学可能。

(キハ58 624・横川サービスエリア・2014年1月21日)
助手席側は通路になる関係からか、機器類を撤去しています。

(キハ58 624・横川サービスエリア・2014年1月21日)
モックアップ部分ですが、廃車発生品を使用してできるだけ忠実に再現しているようです。

休憩・飲食スペースとしているのでテーブルが設置されていますが、ボックスシートや荷棚も実車のものでしょう。
扇風機はJNRマーク入り。

冷房の吹き出し口も再現?

窓も実車のもののようですね。

コートかけまで再現して、実車のカットボディにしなかったのは輸送費の関係でしょうか。

車号はキハ57 26。

キハ57系はキハ58系グループの一員で、信越本線碓氷峠対策を施した急行形気動車です。
キハ57系導入当時の碓氷峠はアプト式を採用していたのですが、キハ58系が装着していたDT22形、TR51形台車では踏面ブレーキのてこがラックレールに緩衝するため碓氷峠を通過することができませんでした。そこでブレーキを車輪ディスクブレーキとし、さらに空気バネとして車高変位を抑えたDT31形、TR68形を装着したのが特徴です。それ以外のシステムはキハ58系と同じで混結も可能です。
キハ57形が36両、キロ27形が7両製造されましたが、製造僅か2年にして碓氷峠が粘着方式に変更。さらに架空線電化により電車に置き換えられてしまっています。
その後は長野を中心に各線で運用されましたが、1974年以降キハ57形は中込機関区、美濃太田機関区、名古屋機関区、高松運転所に分散転属し、キハ58系と混用された後、全車廃車されています。

(「土佐」キハ57 22・1984年8月)
キハ57系は空気バネ台車を装着していたので乗り心地が良いと言われていました。
ちなみにキロ27形は最後まで長野に所属して天寿を全う。

そのようなわけでキハ57系でないのは致し方ないところですが、その代役としてキハ58は今日も峠を見守っています。