
(デハ2015・京王れーるランド・2013年10月26日)
車体は京王最後の吊り掛け駆動新製車である2700系4次形をベースとした湘南顔の17m級片側3扉を踏襲。

(デハ2015・京王れーるランド・2013年10月26日)
新製されたのは制御電動車のデハ2010形とデハ2060形のみとし、付随車は旧型車を改造、転用した2500系を挿入していました。この中間車は後年入れ換えされるなど変化しています。
駆動方式は2000系に続くカルダン駆動方式ですが、全電動車方式で中空軸平行カルダン駆動を採用した2000系が、変電所容量の関係で性能を出し切れなかったこともあり、MT比率1:1を前提とした経済車として設計。駆動方式もWN継手式平行カルダン駆動を採用しました。

(デハ2015・京王れーるランド・2013年10月26日)
台車は1,435mmへの改軌を考慮したKH-14Aを装着。これは都営新宿線乗り入れ時に改軌することが取り沙汰されていたためですが、実現しませんでした。
新製時より1,500Vへの昇圧が考慮され、600V時は力行1C4M、発電ブレーキ1C8Mとしていましたが、昇圧時に力行も1C8Mに変更。この結果デハ2060形の主制御器を撤去しました。
ブレーキは発電ブレーキ併用電磁自動空気ブレーキ(ARSE-D)を備えていましたが、1,500V昇圧後は発電ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ(HSC-D)に変更しました。
1984年の引退後デハ2015形は若葉台工場で保存。そして京王資料館を経て京王れーるランドで保存されることになりました。

(デハ2015・京王れーるランド・2013年10月26日)
1950年代後半に大手私鉄各社が経験したカルダン駆動車開発の過渡期的な車両ですが、経済車というコンセプトを確立し、5000系に引き継いだという点で意義深いといえますね。