
(「北斗」キハ82 902・札幌・1980年5月)
小窓が並ぶキハ82形900番代は試作車ではなく、「はつかり」に使用していたキロ80形を格下げするとともに先頭車改造したものです。
「北斗」は1968年に函館~札幌間の列車を増発しましたが、翌年この列車は「エルム」に名称変更、代わりに函館~旭川間の列車を増発。1971年には1往復を函館~札幌間に短縮すると共に「エルム」を統合して3往復になりました。1972年に旭川行きを「おおぞら」に移行して、函館~札幌間の2往復のみとなりました。これ以降「北斗」は函館~札幌間の特急として定着。1973年に再び3往復に増発されました。
自分が住んでいた頃の「北斗」は札幌運転所の編成を使用していましたが、一部は札幌で切り離した函館運転所の「おおぞら」増結編成3両を札幌駅で連結していました。この3両は「おおぞら」から切り離された後「北斗」が入線するまで0番線で待機。入れ換えはDD13が担当していました。
この「北斗」。意外と撮影しづらい時間帯に運転されていました。というのも長距離特急が走らない時間帯を縫うように走り「おおぞら」「おおとり」「北斗」で函館~札幌間のネットワークを構成していたからです。
1980年以降、北海道の国鉄は札幌を中心に系統分離される方向になり、国鉄時代末期には「北斗」は8往復にまで成長。JR北海道発足後の1988年3月には1往復が「北斗星」に振り返られたものの、「おおとり」が系統分離されて「北斗」に統合されたため相変わらず8往復体制を維持していました。そんな「北斗」に再会したのは1989年の夏。残念ながらキハ80系には出会えず、キハ183系ばかりでしたが。

(「北斗」キハ183・函館・1989年8月)
キハ183系0番代は塗色を500番代に合わせていました。個人的にはこのカラーリング嫌いではなかったです。
JR北海道は「北斗」の120km/h運転を目指してキハ183系550番代を自社開発して投入。函館~札幌間を3時間29分で走破しました。

(「北斗」キハ183-1550・函館・1989年8月)
このほか500番代も活躍していましたが、500番代と550番代は先頭の座席から前方を見る事ができたので、とても楽しかった記憶があります。
1994年には制御付き自然振り子装置を装備したキハ281系による「スーパー北斗」が5往復設定。最高速は130km/hとなり、最速列車は函館~札幌間を2時間59分で運転。日本一速い在来線特急となりました。

(「北斗」キハ281・赤井川~駒ヶ岳・2009年8月10日)
いやはやこいつは速かった。でも11月から最高速度が120km/hに落とされたので、乗車感覚は少し変わるのかな?
キハ183系550番代もブレーキを改良して130km/h対応のキハ182形2550番代、キロ182形2550番代、キハ183形3550番代、キハ183形4550番代に改造。6往復に減った「北斗」の一部列車に充当。

(「北斗」キハ183 3566・北広島~上野幌・2009年3月28日)
塗色もキハ281系に合わせて一新されました。特性はキハ281系と異なりますが、これはこれで速かったです。
「北斗」の一部は500番代、550番代編成で120km/h運転のまま残っていました。

(「北斗」キハ183 1506・札幌・2009年8月8日)
塗色は130km/h仕様車と同じですけどね。
1998年からはキハ283系も戦列に加わりました。

(「北斗」キハ283・仁山~大沼・2009年8月10日)
2016年以降は北海道新幹線の接続という重要な使命を担うことになる「北斗」「スーパー北斗」ですが、それまでに信頼回復をしてもらいたいものです。