コーナリングスピード重視か? 加速力重視か? | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

先頃JR北海道がキハ261系1000番代を6両増備しました。これは2011年5月に発生した石勝線内での火災で廃車となったキハ283系6両の代替として製造されたものです。ところでキハ283系とキハ261系は性能が全く異なります。

キハ283系は制御付き自然振り子装置を搭載し、最大6度車体を傾斜させることによって半径600mのカーブ区間を本則+40km/hで通過することが可能です。エンジンは355ps出力のN-DMF11-HZA形を1両あたり2基搭載。
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(「スーパーおおぞら」キハ283-8・トマム~新得・2009年6月15日)
キハ283系に限らず構造が複雑になる振り子式車両は製造コストやメンテナンスコストが高くつくため、JR各社も製造に積極的ではありません。

一方キハ261系は外軌側空気バネストローク式車体傾斜装置を搭載。車体傾斜角度は最大2度で、半径600mのカーブ区間を本則+25km/hとキハ283系より劣りますが、N-DMF13-HZHエンジンは460psを発揮。これを1両あたり2基搭載しています。
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(「スーパーとかち」キロ261-1101・トマム~新得・2009年6月15日)
また構造もシンプルなので製造コストが下げられるというメリットもあります。

当然ながら曲線通過速度はキハ283系の方が上回りますが、加速力はキハ261系が勝ります。途中待避などがあるのでばらつきがありますが、札幌~帯広間の所要時間で比較するとキハ283系キハ283系「スーパーとかちの」の2時間34~38分に対して、キハ261系「スーパーとかち」の所要時間は2時間26~47分となっています。ただし急カーブが連続する帯広~釧路間はやはりキハ283系が有利なようで、キハ261系の帯広~釧路間の運用はありません。

そのような事もあって、「スーパーとかち」に使用されていたキハ283系をキハ261系に置き換えて、廃車となったキハ283系の補充を兼ねた様です。コストバランスを考えると仕方がないのかもしれませんが、技術的には振り子式の衰退は残念なところ。とはいえJR北海道ではハイブリッド振り子の開発も行なっていましたので、まだ新しい振り子車両が登場する可能性はあるかもしれませんが。