
(クハE233/クハE351・お茶の水~水道橋・2013年4月10日)
3月16日のダイヤ改正から東京駅まで延長運転されている「スーパーあずさ6号」ですが、よく見るとちょっと違和感がありました。
拡大してみましょう。基本編成と付属編成の空調カバーの形状が違いますね。

東京方の付属編成は量産車の0番代、基本編成は量産先行車1000番代が併結していたのです。
E351系は基本8両編成と付属4両編成が各5編成製造されましたが、1993年に製造された2編成は量産先行車で、1995年度に量産車が3編成製造されました。

(クハE351-1102/クハE351-4・松本・2008年2月6日)
量産先行車は製造時は0番代でしたが、量産車登場後に1000番代に改番されています。また量産車の車号は3~5と量産先行車(当時)の続番です。
量産先行車は新宿方から基本編成+付属編成として登場しましたが、1994年夏に基本編成の5~7号車を付属編成に移動させて基本8両編成に組み直しています。また先頭車の形式は全車クハE351形となっています。
外観では空調の熱交換器カバーが丸みを帯びた形状になっています。

(「スーパーあずさ」クハE351-1102・高尾~相模湖・2007年12月1日)
VVVFインバータ装置の素子はGTO(ゲートターンオフサイリスタ)を採用。製造当初、電気ブレーキは回生ブレーキのみ搭載していましたが、量産化改造によって、発電ブレーキも搭載し、回生・発電ブレンディング制御が可能となりました。これは列車密度が少ない線区で電気ブレーキを使用可能としたものですが、発電ブレーキ用抵抗器を搭載する余地が電動車になかったため、付随車に追説しました。
量産車は最初から新宿方付属編成+基本編成で登場。また偶数向き先頭車は新形式のクハE350形となっています。
空調の熱交換器カバーが角形となったのが最大の相違点。

(「スーパーあずさ」クハE350-5・高尾~相模湖・1997年)
またVVVFインバータ装置の素子はIGBTとなり、製造時から回生・発電ブレンディング制御が可能となっていました。
2010年3月までは「スーパーあずさ6号」の基本編成が信濃大町始発で、松本で付属編成と併合する運用となっていましたが、現在は全区間で基本編成と付属編成を併結していて、貫通型先頭車が営業列車の先頭に立つことはなくなりました。

(「スーパーあずさ」クハE351-105・細野~北細野・2009年5月19日)
しかし、松本駅から松本車両センターに入区する際は松本駅ホーム上で編成を分割してから入区するため、貫通型先頭車を見ることはできます。

(クハE351-1302・松本車両センター・2009年2月6日)
つまり、現在も毎日の様に基本編成と付属編成は分割、併合している訳ですが、今までこういった異なる仕様の併結は見たことなかったのでちょっとびっくりしたワケです。
まVVVFインバータの素子が違うだけですので、併結に問題はないのでしょうし、ひょっとして日常的なことで、自分が見たことないだけかもしれないので、今後E351系を見かけたら確認し続けてみようと思います。