
(クハ201-901・中野・1982年8月)
黒色ジンカート処理された鋼板を組み合わせた左右非対称の前面デザインも斬新でしたが、車体直結式空気バネ台車の採用や、乗降扉、戸袋窓、運転台窓のHゴム廃止、押し込み形ベンチレーターなど103系と比べると数段スタイリッシュになっていました。離線対策のためモハ201形に2基搭載されたパンタグラフもかっこいいと思ったものです。
この201系の最大の特徴は「省エネ201」たる所以である、電機子チョッパ制御の採用です。サイリスタチョッパ制御とも呼ばれるこの制御方式は、主電動機の電圧制御に半導体を用いており、従来の抵抗制御のような接点が不要でメンテナンス性に優れ、また制御段数も無段階とできるため粘着特性に優れるという利点があります。
また安定した回生ブレーキ性能を得ることができるのも大きな特徴で、この回生電力を他の電車が消費することで、トータルで消費電力が低減されることになります。
201系は1979年に試作車が三鷹電車区に配置されました。当初は101系、103系と同じく7+3の10両分割編成でした。
当時は札幌に住んでいた自分ですが、公式試運転の模様はテレビニュースで見ることができました。そして「省エネ201」のヘッドマークをつけた201系900番代の出発式は新聞にも掲載されていたのを覚えています。
自分が初めて201系900番代に乗車したのは1979年だったと思います。すでにヘッドマークはありませんでしたが、あの前面スタイルには感動したものです。
1981年から量産車が登場しましたが、車体の構造や主制御器、台車の構造など変更点は多く、編成も6+4もしくは10両貫通編成となり、MT比率も6M4Tとされています。この量産車には1981年から乗車する機会を得ました。

(クハ201・代々木・1982年8月)
そして量産された201系は、三鷹電車区、武蔵小金井電車区、豊田電車区に配置され、101系、103系を淘汰し中央快速線の主役となりました。こうなってしまうと珍しさも感じなくなり、900番代ばかり追いかけるようになっていました。1983年には900番代が量産化改造され、前面の手すりは量産車同様の大形のものに変更。また電動車2両を電装解除して、基本編成と付属編成に1両ずつ連結。その結果6+4の分割編成となりました。また量産車との混結も可能となりましたが、量産化改造でその異端ぶりをますます発揮していました。

(クハ201-901・新宿・1983年)
その後900番代は中野電車区に転属し、カナリア色となって中央総武線に使用されました。

(クハ201-901・新小岩・1988年)
しかし900番代は組成をバラされて量産編成の中間に組み込まれるようになり、その前面を見ることができなくなってしまいました。
一方豊田電車区の201系のうち基本編成は1986年から青梅線、五日市線、武蔵野線にも使用されていました。

(クハ201・西船橋・1988年)
とはいえ当時は最新鋭だった201系を積極的に追いかけてはいなかったのも事実です。
次に201系を撮影したのは実に16年後の2004年。1999年から荻窪に移り住んでいましたが、通勤の足としてあまりに近い存在だったので、またまた撮影することはあまりなかったのですが、NHKの企画で東京総合車両センターを見学した際に、入場中の201系を見つけて撮影しました。

(クハ201-87・東京総合車両センター・2004年6月2日)
パテ盛りの様子が凄いですよね。
余談ですが、大井工場はこの前日の6月1日から東京総合車両センターに統合されました。
この時、奇跡的に900番代との再会を果たしました。

(クモハ200-901・東京総合車両センター・2004年6月2日)
900番代は晩年京葉線で活躍していました。もちろん先頭車は編成に組み込まれた状態でしたが、普段は見ることができなくなっていた前面をこの時また拝むことができて感動!

(クハ201-901・東京総合車両センター・2004年6月2日)
しかし900番代は2005年10~11月に廃車されてしまいました。
この頃から鉄道熱が再燃。中央快速の201系を撮影する機会は増えた気がします。

(クハ201-57・豊田~八王子・2004年6月27日)
豊田のカーブには良く行ったものです。
そういえば中央快速線の201系は種別表示幕が装備されていましたが、これこそ中央快速線のシンボルといえましたね。
2005年には初めて京阪神緩行線の201系を見ることができました。この頃はまだ201系は緩行線で活躍していました。

(クハ200-142・山崎~高槻・2005年9月17日)
この編成はいわゆる軽装車ですね。
1997年からは福知山線にも入線。

(クハ201-93・大阪・2005年9月17日)
JR西日本の車両は2002年以降ベンチレーターを撤去する工事を受けています。

(クハ201-91・山崎~高槻・2005年9月17日)
雨水による腐食防止らしいのですが、個人的には味気なく感じたものです。
さらに2003年からは延命30N体質改善工事を実施。

(クハ201-138・山崎~高槻・2005年9月17日)
前照灯と行き先方向幕が一体化されたほか、内外装をリニューアル。側面窓も大改造されている姿にびっくりしました。