
(東京・2013年月19日)
今改正から320km/h運転が実施されるのは「はやぶさ」単独運転列車のみ。「はやぶさ」「スーパーこまち」併結列車は300km/h運転で据え置かれます。
ということで、狙いは「はやぶさ1号」

(東京・2013年月19日)
20番線に停車していたのはE5系U15編成でした。

(「はやぶさ」E514-15・東京・2013年3月19日)
なんとも不細工な顔ですが、すっかり見慣れてしまいました(笑)
せっかくの320km/h初体験。そして激務の疲れを癒やすためにグランクラスを奮発してみました。

(E514-15・2013年3月19日)
グランクラスは定員18名のプレミアムシート。1+2シートがシートピッチ1,300mmで配置されています。なおこのシートは常に進行方向に向いて使用することを前提としているため、営業中の回転は行なえません。
航空機のファーストクラスを意識して開発されたというシート。

(E514-15・2013年3月19日)
シート幅は520mmと国内最大級のサイズを確保しています。
リクライニングは電動式で、背もたれは最大45度までリクライニング。

(E514-15・2013年3月19日)
電動フットレストも装備。また上下可動式枕も装備していますがこちらは手動です。
リクライニングは一括操作だけではなく個別操作も可能で、肘掛けに操作パネルを配置。

(E514-15・2013年3月19日)
このパネルにはアテンダント呼び出しボタンも設置されています。
操作パネルと反対側には折りたたみ式カクテルテーブルを設置。

(E514-15・2013年3月19日)
カクテルテーブルは展開して広げることもできます。

(E514-15・2013年3月19日)
この下にはコンセントも設置されています。
肘掛けには折りたたみ式の大型テーブルも格納されています。

(E514-15・2013年3月19日)
食事をする時は重宝しますが、半分でも使用可能です。
さらにアーム式読書灯も設置。

(E514-15・2013年3月19日)
2人掛けシートはシート間にパーテーションを設けてプライバシー空間を確保しています。

(E514-15・2013年3月19日)
また、シートシェル後部にはマガジンラックなどがありますが、ここは見栄えを考慮してデザインされたそうです。

(E514-15・2013年3月19日)
このグランクラスのシートですが、設計と製造は航空機や自動車のシートメーカーとして有名なレカロ社と、川崎重工系の川崎車両コンポが担当。また内装やシートデザインには日立製作所も参画していて、シートシェルには3社のロゴが入っています。

(E514-15・2013年3月19日)
グランクラス-日立評論
E5系グランクラスシート
このグランクラスですが、専任アテンダントによるシートサービスも売りになっていて、肘掛けにはシートサービスのメニューがセットされています。

(E514-15・2013年3月19日)

(E514-15・2013年3月19日)
車内ではソフトドリンクとアルコールが飲み放題のほか、軽食、お茶菓子、おつまみを戴くことができます。

(E514-15・2013年3月19日)
軽食は和食と洋食から選択可能。発車後しばらくしてオーダーを受けに来てくれます。

(E514-15・2013年3月19日)
今回は和食をチョイス。ビールを頼んだら、お茶菓子(萩の月)とおつまみも戴きました。
和食は季節に合わせてメニューが変わります。

(E514-15・2013年3月19日)
今回は
林檎入り焼売(青森県)
旬の木の芽味噌焼
蕗の薹(ふきのとう)天ぷら
浅葱 赤紫蘇(しそ)ソース
笹蒲鉾
慈姑(くわい)揚げ煮
帆立旨煮
たらの芽お浸し
三色団子
五目ご飯(桜海老素揚、飾り人参、小鳥長芋)
大宮までの120km/h制限区間でビールを飲みつつ軽食を戴き、大宮を過ぎてからは日本酒で萩の月を賞味しました。

(E514-15・2013年3月19日)
大宮から宇都宮までは275km/hで運転。沿線騒音の関係でE2系は240km/hに制限されていますが、環境性能が向上したE5系、E6系は275km/hが可能となっています、
赤ワインをオーダーしたあたりで宇都宮を通過。

(E514-15・2013年3月19日)
宇都宮からは320km/h運転区間となるので「はやぶさ」は加速を始めます。
さて、320km/h運転の印象ですが、スピード感はあまりない感じ。スピード感だけならN700系の270km/hの方が速い印象です。でも、流れる景色を見る限りでは明らかに速い!
車体傾斜システムもスムーズに動いているし、ローターネジ式フルアクティブサスペンションもよく効いていて左右動はかなり少ない印象。グラスの横移動も少なかったです(笑)

(E514-15・2013年3月19日)
その分上下微振動が若干目立つ印象ですが、これは相対的なもので乗り心地は極めて良かったです……と思いつつ、いつの間にか白ワインに移行。
そして、郡山から先では振動が減少した感じ。
なんて思いながらシードルをオーダーして、アルコールをコンプリート(笑)

(E514-15・2013年3月19日)
思いのほか快適な旅でした。
盛岡で途中下車するのは惜しかったですが、盛岡から先は最高速度260km/hだし。

(「はやぶさ」E514-15・盛岡・2013年3月19日)
それにしても320km/hなのにスピード感がない。これって凄いことです。E5系の開発母体となったE954形FASTECH360Sは360km/h営業運転を目指して開発されましたが、実は設計最高速度は405km/h。つまり走行性能的には360km/hを余裕でクリアすることが可能な車両でした。またFASTECH開発前にE2系を改良して360km/h走行試験を実施した事実もあります。今回E5系やE6系の最高速度が320km/hとなったのは動力性能面での問題ではなく、騒音など環境性能面とブレーキ性能面での問題によるもの。つまりE5系の潜在能力というか設計最高速度はやっぱり360km/hぐらいはありそうという印象。それならば320km/hで安定しているのも頷けますね。ちなみにN700系の設計最高速度は330km/hなので体感スピードに違いがあっても当然かな。まぁあくまで個人的印象ですけど。
(続く)