【国鉄形電車の思い出】Part91 本州にも進出した781系でした最後はあっけなかったです | はやこま すていしょん!

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更新頻度は遅めですが、日々の出来事や趣味的なことを書いていこうかなと思っています。若干鉄分は濃い目の予定(笑

北海道の電車特急のパイオニア的存在だった781系。785系やキハ281系、キハ283系、キハ261系のみならず快速エアポートの721系などが130km/h運転する時代に入っても活躍を続けてきました。
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(「ライラック」クモハ781-2・伊納~近文・2007年5月29日)
ではここで781系の各形式のおさらいをしておきましょう。
前回お話ししたとおり、781系はM-TAユニットを採用しています。すなわち、パンタグラフ、主変圧器、主整流器を備えたTA車と主制御器、ブレーキ抵抗器を備えたM車の2両1組で使用されます。

クモハ781形は国鉄特急形電車で初めて登場した制御電動車。
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(クモハ781-2・札幌・2007年5月27日)
奇数向き車ですが、室蘭本線経由で入線したため、函館本線函館基準では編成が方向転換しており偶数向きに連結されています。言い換えると室蘭本線で正しい向きとなります。
雪切り室を挟んで乗務員扉と乗降扉が配置され、便洗面所を持たないため特徴的な外観をしています。また屋上にはAU78形集中クーラーを搭載していますが、国鉄特急形電車のパンタグラフなし車としては初めての事例。さらに新鮮外気導入装置と発電ブレーキ用抵抗器が屋上に並ぶという特異な外観を持っていました。
クモハ781形は8両製造されましたが1~6は快速「エアポート」指定席車uシート化改造が実施され、外観塗色も区別されました。

クモハ781形100番代はモハ781形に運転台を設置した先頭車化改造車で、101~104の4両が改造されました。
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(クモハ781-101・札幌運転所・2007年5月27日)
種車の関係で、側窓上のルーバーの位置、そして集中クーラー、新鮮外気導入装置、運転台側ブレーキ抵抗器の搭載位置が0番代とは異なります。100番代はuシート改造対象とならなかったため、晩年はもっぱら「すずらん」に使用されていました。

中間電動車のモハ781形は16両製造されました。クモハ781形同様便洗面所なしでしたが、当時の国鉄特急形電車としては例外的存在でした。
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(モハ781-902・札幌運転所・2007年5月27日)
1993年、「エアポート/ライラック」編成のモハ781形は2扉化されました。
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(モハ781-4・旭川・2007年5月29日)
増設扉は床下機器の関係で客室端部に設置することができず、客室を分断する形となりました。そのため、増設扉側に定員8名の客室が誕生しています。

制御車のクハ789形は便洗面所を備え、クモハ781形と比べるとオーソドックスな外観をしていました。1992年に全車2扉化されていますが、あまり違和感はありません。
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(「ライラック」クハ780-2・旭川・2007年5月29日)
サハ780形を先頭車化改造したクハ780形100番代は乗務員室を客室に転用しているため、窓配置が大きく異なります。
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(クハ780-101・札幌運転所・2007年5月27日)
こちらも全車2扉化されています。

サハ780形は乗務員室を備えていました。
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(サハ780-902・札幌運転所・2007年5月27日)
サハ780形も全車2扉化されています。

2001年の時点では781系は3タイプの編成がありました。
すなわち、uシート付きクモハ781形、モハ781形2扉車連結編成が6本、モハ781形2扉車連結編成が1本、そしてモハ781形原形が組み込まれた「すずらん」編成5本(900番代含む)です。

781系に変化が訪れたのは2003年のこと。青函トンネル見学特急「ドラえもん海底列車」用として781系が抜擢されたのです。
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(「ドラえもん海底列車」クモハ781-7・渡島当別~釜谷・2006年8月27日)
ラッピングには驚きましたが、781系が営業列車として青函トンネルへの進出を果たしました。
編成は青森←クモハ781-7+サハ780-14+モハ781-5+サハ780-5+モハ781-14+クハ780-7→函館。ちゃんとクモハ781形が奇数向きになっています。
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(「ドラえもん海底列車」クハ780-7・札苅・2006年8月27日)
このうちクモハ781-7+モハ781-5+サハ780-5+クハ780-7は1998年に青函トンネルに入線して高速運転時のデータを収集。789系開発の礎になりました。

2005、2006年には同編成を使用した「ねぶたエクスプレス」で青森まで営業運転をしましたが、2006年8月27日に「ドラえもん海底列車」の運転を終了。
なおこの編成を組成するに当たって余剰となっていたクモハ781-104とクハ780-104は保留車として五稜郭車両所に留置されていましたが、2006年9月4日に廃車。これが781系廃車第1号となりました。
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(クモハ781-104・五稜郭車両所・2006年8月27日)
同年中に「ドラえもん海底列車」編成も廃車されています。

そして781系の終焉はあっけなく訪れました。789系1000番代が投入されて781系「ライラック」は置き換えられ、「スーパーホワイトアロー」共々「スーパーカムイ」に統一されました。
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(「ライラック」クモハ781-2・苗穂~白石・2007年5月27日)
これにて「ライラック」の歴史も終了です。

また「すずらん」は785系に置き換えられる事に。
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(「すずらん」クモハ781-102・札幌・2007年5月27日)
こうして781系は全車引退、廃車となってしまいました。

しかし781系は現存しています。
函館の桔梗幼稚園で50系客車などと一緒に利用されているのです。
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(クモハ781-2・桔梗幼稚園・2011年9月18日・敷地外から撮影)
ここには781系が4両利用されています。いずれちゃんと許可を取って撮影したいと思っています。

781系は登場から引退まで見届けた形式なのでもの凄く思い入れがあります。
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(「ライラック」クモハ781-4・納内~伊納・2007年5月29日)
なぜ苗穂工場で保管されなかったのがいまでも不思議でなりません。