北海道新幹線が青函トンネルを時速200キロ以上で通過できることになりそうですが | はやこま すていしょん!

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国土交通省交通政策審議会の整備新幹線小ワーキンググループは、12月11日に北海道新幹線の青函トンネル区間の最高速度について、2018年度から1往復だけ地上と同等の200km/h以上で走らせることを目指す方針だと発表しました。
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(青函トンネル)
2016年3月開業を目指して建設が進められている北海道新幹線の最高速度は260km/hですが、実は青函トンネル区間の走行速度は140km/hに制限されることになっています。現在は在来線の津軽海峡線の列車が通過している青函トンネルですが、建設途中で新幹線規格に変更されて完成しています。したがってトンネル前後を含めて新幹線規格となっていますので、設備的にはまったく問題はありません。
では、なぜ140km/hに制限されるのかというと貨物列車の存在があるからです。

北海道新幹線の開業後も貨物列車は重要な役割を担っており、存続することが決まっていますが、もちろん青函トンネルに線路を増やす余地はなく、新しいトンネルを建設する費用も時間もありません。そこで、青函トンネルを含めた中小国信号所付近~木古内付近約82kmは、線路幅1,435mmの新幹線と1,067mmの在来線が一緒に走ることができるようにレールを3本敷く「3線軌条」とすることになりました。
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(津軽今別~知内)
電化方式は新幹線の交流25,000Vに統一。そのため在来線の交流20,000Vから直通できる複電圧仕様の電気機関車、EH800が開発されています。ATCや無線など保安機器も新幹線用を搭載していますが、最高速度は110km/hと在来線スペックです。
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(東芝・2012年11月7日)
EH800は直前にトラブルが見つかったとかで甲種輸送を中止したそうですが、今はどうなっているのでしょう?
それはともかく、この共用区間を260km/hで走る新幹線と貨物列車がすれ違った際の風圧で貨物列車が脱線する恐れがあるとして、新幹線の速度を140km/hに制限されることが決まったわけです。

この場合東京~新函館間の所要時間は4時間かかってしまい時間短縮効果が薄れてしまいます。
そこで貨物列車が通過しない時間帯を2時間ほど設けて、その時間帯を走る新幹線1往復を200km/h以上で走行させようということになったようで、共用区間を260km/hで通過した場合、東京~新函館間の所要時間は3時間45分に短縮されるそうです。
その他貨物列車に近づくと自動的に140km/hに速度を落とすシステムができれば200km/h以上の運転も可能だとみているそうですが、加減速の距離とか時間を考えるとどれほど効果があるのでしょうね?
とにかく所要時間は短いことに越したことはないので、早く解決するといいですね。